「今は押し目買いのタイミングではない」──バロンズが伝える投資家への警告

  • 2025年4月5日
  • 2025年4月6日
  • BS余話

米国の投資情報誌『バロンズ(Barron’s)』は、2025年4月4日に掲載した記事において、トランプ大統領が打ち出した大規模な関税政策が、株式市場に深刻な影響を与えている現状を伝えています。

この記事は、現在進行中の「貿易戦争」が、経済的合理性を超えた政治的・地政学的な戦いの様相を呈しており、投資家にとって極めて厳しい局面であることを強調しています。

トランプ政権の「解放の日」が示す強硬路線

トランプ大統領は4月2日、「解放の日」と称して、全ての貿易相手国に対して一律10%の関税を発動しました。対象国の中には、従来同盟関係にあったカナダやフランスも含まれており、米国が多方面と同時に経済的対立に突入する形となっています。

この動きに対し、中国は即座に34%の報復関税を発表し、カナダや欧州諸国の首脳からも反発の声が上がっています。記事では、こうした展開が「アメリカが一方的に戦っている構図」だとし、その結果、米国の交渉力が弱まっていると指摘されています。

株式市場は大幅下落、複数指数が弱気相場入り

バロンズは、こうした貿易政策が引き金となり、株式市場が急速に冷え込んでいると報告しています。S&P500指数は2月中旬の高値から17%下落。ラッセル2000指数は25%下落し、ナスダック総合指数も22%のマイナスとなっています(データ出典:バロンズ記事内の市場情報)。

この動きにより、小型株市場はすでに弱気相場入りしており、S&P500も20%の下落ラインまであとわずかとなっています。記事では、過去の金融危機時と同様の水準に近づきつつある現状に警戒感を示しています。

利下げへの期待と不確実性

記事によれば、FRB(連邦準備制度)は、株価の急落に対応するために利下げに踏み切る可能性が高まっており、6月のFOMCでの利下げはすでに市場に織り込まれ始めているとのことです。過去の例として、2018年やパンデミック期の対応が紹介されており、早期の利下げによる下支えに対する期待感も言及されています。

ただし、2008年の金融危機時のように利下げが必ずしも即効性を持たないケースもあることから、市場の安定には時間がかかる可能性があるとの見方が紹介されています。

インフレと景気への影響

バロンズは、UBSのエコノミストの見解を紹介し、今回の関税政策によって米国の実質GDPが1.5~2ポイント減少する可能性があると伝えています。また、インフレ率も5%近くまで上昇する可能性があり、政策の経済的なコストは小さくないという見方が示されています。

投資家に求められる慎重な対応

記事では、過去の強気相場とは異なり、現在は「押し目買い」が通用しない局面であることを警告しています。一部の市場関係者は、防御的な投資スタンスへの転換や現金比率の引き上げを提案しており、「今は反発を期待して飛びつくタイミングではない」とのコメントも紹介されています。

おわりに

『バロンズ』は今回の記事で、現在の米国市場が直面する「関税リスク」「地政学的孤立」「景気後退とインフレの同時進行」といった複合的な問題を取り上げ、今後も状況が悪化する可能性があるとしています。

このような時期においては、短期的な値動きにとらわれず、長期的な視点での資産防衛が求められるとのメッセージが込められた内容となっています。

*関連記事「マーケットウォッチが報じた「米国株の買い場接近説」:不安定な今、市場の“兆し”をどう読むか

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