2025年4月2日、トランプ大統領がホワイトハウスで新たな関税政策を発表したことを受けて、米国株式市場が大きく揺れ動きました。この「相互関税」は、全ての国に対して最低10%の関税を課すだけでなく、一部の国には追加の関税を課すという内容で、市場に強いインパクトを与えました。
市場の反応は即座に現れ、代表的な米国株ETFである「SPDR S&P 500 ETF」は時間外取引で2.2%下落し、「Roundhill Magnificent Seven ETF」も2.4%下落しました(出典:ファクトセット)。このような下落は、投資家が想定していた最悪のシナリオを上回る政策が打ち出されたことへの反応と考えられます。
関税政策がもたらす「不確実性」はどこまで織り込まれたか
今回の政策が特に注目されるのは、その「不確実性の高さ」です。トランプ政権は過去にも強硬な通商政策を打ち出してきましたが、今回はそれを上回る規模であり、実体経済への影響も避けられないとの見方が増えています。
ある投資アドバイザーは、S&P500のチャートを例に挙げ、指数が5750ポイントを回復できれば調整局面が一旦終了するシグナルになると述べていました。一方で、今後の下落リスクも無視できず、5500ポイントが次の支持線になるとの意見もありました。これは、テクニカル分析上の節目として注目される水準です。
大型テクノロジー株は「安全資産」なのか?
関税政策の発表により全体市場は下落しましたが、一部の専門家は依然としてテクノロジー株に注目しています。アップル(AAPL)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)、アルファベット(GOOGL)、メタ・プラットフォームズ(META)、マイクロソフト(MSFT)、エヌビディア(NVDA)といった大型テック企業の株価収益率(PER)は、最近のピーク時の32倍から24倍程度に下がっており、割安感が出てきているとの分析があります(出典:ファクトセット)。
あるアナリストは「経済にリスクがあるとき、最終的に資金が向かうのは成長力のある企業だ」と指摘しており、テクノロジーセクターがその受け皿になる可能性を示唆しています。
ただし、時間外取引ではこれらのテック株も例外ではなく、アップルが6.1%、アマゾン・ドット・コムが5.1%、エヌビディアが4.9%と大きく下落しました(出典:ファクトセット)。これは、短期的には「逃げ場」が存在しない市場環境にあることを意味します。
投資家が今意識すべきこと:交渉か混乱か
複数のマクロストラテジストは、今回の関税措置を「交渉材料」として見るべきだとしています。つまり、関税の導入そのものが目的というよりは、各国との貿易交渉を有利に進めるための戦術と捉えられます。
しかし同時に、トランプ政権が市場の混乱に対して比較的「高い耐性」を持っていることも指摘されており、これが実体経済にまで波及するか否かが次の焦点になります。
ある資産運用会社の幹部は、「この政策はすぐに解決される可能性もある一方で、さらに悪化する可能性もある。すべては政権側の対応次第だ」と話しています。
今後の投資戦略:現金化か、静観か?
市場が大きく動いた直後には、資産を現金化して様子を見るという判断をする投資家も少なくありません。しかし一部の専門家は、それが長期的な成長機会を失うリスクもあると警鐘を鳴らしています。ボラティリティの高まりは、見方を変えれば新たな投資機会の到来とも言えるからです。
投資情報誌のバロンズなどの記事を読み解く限り、短期的にはさらなる下落リスクがある一方で、中長期的には選別投資が重要になる局面に差し掛かっているといえそうです。