アマゾン(AMZN)が、ショート動画アプリ「TikTok(ティックトック)」の全株式を買収するという土壇場の提案を行ったと、ニューヨーク・タイムズが報じました。関係者3人の話として報じられたこのニュースは、アメリカのテクノロジー業界に大きな波紋を広げています。
バイトダンスに迫る売却期限とトランプ大統領の判断
米国では2024年に成立した法律により、中国系企業バイトダンスに対してTikTokの売却を義務付けており、その期限は2025年1月19日と定められていました。しかし、1月20日に再び就任したトランプ大統領は、大統領令を通じてこの法律の執行を75日間延期し、TikTokは現在もアメリカ国内での運営を継続しています。
その執行猶予の期限が迫る中、アメリカ政府は4月5日を最終期限とし、新たな非中国系オーナーによる買収が完了しない限り、アプリの使用を禁止する構えを見せています。ロイターの報道によると、ホワイトハウス関係者はトランプ大統領がこの日、最終提案を検討する予定であると述べました。
アマゾンの買収提案は本気か? 関係者の反応は冷ややか
アマゾンによる提案は、副大統領のJD・ヴァンス氏および商務長官のハワード・ラトニック氏に宛てた書簡という形で提出されたとのことです。ただし、ニューヨーク・タイムズによれば、この提案を真剣に受け止めている関係者は少ない模様です。複数の関係者は、アマゾンの入札が交渉の核心から外れていると感じているようです。
株価は上昇、買収報道が投資家心理に影響
この報道を受けて、アマゾンの株価は4月2日の米国市場で一時1.3%上昇し、出来高も増加しました。その後、株価は米東部夏時間の午後1時時点で197.15ドル(前日比+2.62%)まで上昇しました。過去には1月27日に235.42ドルの終値を記録しており、今後の買収進展によって株価が再び上昇トレンドに転じる可能性もあります。
TikTok売却を巡る複数の候補と米政府の懸念
TikTokの米国事業を巡っては、すでに複数の企業グループが関心を示しているとされ、トランプ大統領も「4つのグループと接触している」と先月明かしています。米政府は、TikTokが中国政府の影響下にあると見なし、アメリカ国内のユーザーデータが不正に取得される危険性を警告しています。また、影響工作の手段として利用される懸念も強調されています。
今後の注目ポイント
今後は、アマゾンの提案が正式な買収プロセスにどのような影響を与えるか、またトランプ大統領が最終的にどのような判断を下すかが注目されます。期限となる4月5日までに確実な進展がなければ、TikTokはアメリカ市場からの撤退を余儀なくされる可能性もあります。
引き続き、米中間のテクノロジー摩擦が強まる中、TikTokを巡る動向は米国株市場においても大きな注目を集めるテーマとなっています。投資家にとっては、今後のニュースの行方を注視することが重要です。