ソフトバンクグループは、人工知能企業であるオープンAIが行う最大400億ドル規模の資金調達ラウンドを主導することで合意しました。この動きは、マイクロソフト(MSFT)のオープンAIとの関係性に新たな局面をもたらす可能性があります。
オープンAIの評価額は3,000億ドルに上昇
今回の資金調達ラウンドにより、オープンAIの評価額は昨年末の1,570億ドルから一気に3,000億ドルへと跳ね上がる見通しです。ソフトバンクグループは最大300億ドルをオープンAIの営利子会社に投資し、残りの100億ドルについては他の共同投資家とともにシンジケート方式で対応するとしています。
オープンAIは現在、営利事業を非営利法人が監督する構成になっていますが、ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、今後は営利目的の公益法人として再編する方針とのことです。この移行は2025年中に完了する必要があると報じられています。
マイクロソフトとの複雑な関係が表面化
マイクロソフトは2019年以降、オープンAIに対して累計130億ドルを投資してきました。しかし最近では、自社内にAI部門を設立するなど、オープンAIへの依存を減らす動きも見られます。オープンAIもオラクル(ORCL)と新たに契約を結ぶなど、複数の企業と提携を広げています。
独立系アナリストであるリチャード・ウィンザー氏は「マイクロソフトとオープンAIの関係が悪化していることは、将来的な対立が複雑な問題を引き起こす可能性を示している」と述べています。
ChatGPTの利用者は急増中、オープンAIの影響力は拡大
オープンAIは声明の中で、毎週5億人がChatGPTを利用していると発表しました。CEOのサム・アルトマン氏は、X(旧Twitter)への投稿で、画像生成ツールのアップグレード版が公開された際、ChatGPTのユーザー数が1時間で100万人増加したことを明らかにしています。
米国内AIインフラ整備へ、ソフトバンクが積極投資
2025年1月、ソフトバンクグループとオープンAIは、オラクルを含む他のパートナー企業とともに、米国内のAIインフラに最大5,000億ドルを投資する計画を発表しました。この計画では「スターゲイト」と名付けられた合弁会社を通じて、オープンAI専用のデータセンターを建設することが盛り込まれています。
また、ソフトバンクグループは2024年9月以降、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2を通じてオープンAIに22億ドルを投資してきました。最新の資金調達ラウンドにおける最初の100億ドルの出資は2025年4月中旬を予定しており、残りは同年12月に行われる見込みです。
*過去記事はこちら マイクロソフト MSFT