人工知能クラウド企業であるコアウィーブ(CRWV)は、3月28日に株式市場にデビューしました。しかし、完全希薄化後の株式数のうち10%未満しか市場で取引されなかったこともあり、初日の株価は横ばいで終えました。
上場直後の31日には株価が10%下落し、最終的に7.3%の下げで取引を終えました。しかし4月1日には一転して41.77%の上昇を見せ、公募価格を31%上回る水準となっています。
急成長企業としての期待と不安定な株価
コアウィーブは急成長を遂げている企業であり、人工知能クラウド・コンピューティングの需要が引き続き供給を上回ると考える投資家からの関心が集まっています。そのため、株価がこの先もジェットコースターのような動きを見せる可能性があります。
エヌビディアとの深い関係性が注目の的に
コアウィーブは、人工知能半導体の分野でリーダー的存在であるエヌビディア(NVDA)と非常に緊密な関係を築いています。エヌビディアはコアウィーブの株式2,400万株を保有しており、そのうち600万株は新規株式公開時に追加された新株の6分の1に相当します。一部の投資家は、エヌビディアの存在を株価の安定要因として捉えています。
弱気派が注目するリスク要因
一方で、慎重な投資家たちはいくつかのリスク要因に注目しています。コアウィーブは当初予定していた公募価格と販売株数の両方を引き下げており、エヌビディアがその売り出し株のかなりの部分を引き受ける結果となりました。
また、同社の急速な収益成長は、多額の設備投資と増大する負債によって支えられています。その設備投資の大半はエヌビディアに支払われていることもあり、資金の流れに懸念を持つ声もあります。
顧客基盤の集中も懸念材料に
さらに、コアウィーブの売上の77%は、顧客であるマイクロソフト(MSFT)と、エヌビディアと見られるもう1社の2社に集中しています。このように顧客基盤が限られている状況では、特定の企業との関係性に業績が大きく左右される可能性があります。
AIトレンドの波に乗るも、市場は慎重に見極め中
コアウィーブの株価は、ウォール街における人工知能関連銘柄の中で注目の存在となりつつあります。今後、同社が人工知能需要の拡大とともに持続的な成長を果たす可能性はありますが、株主は今後も大きな値動きに直面することになるかもしれません。