2025年、人工知能(AI)への投資が一段と活発になる中で、新たに注目されているのがアップル(AAPL)とエヌビディア(NVDA)の関係です。これまで比較的AI分野で静かだったアップルが、本格的なインフラ投資に踏み出したことが、GPU市場の主役であるエヌビディアの将来に大きな影響を与える可能性が出てきました。
アップルが本格参入?AIインフラ強化の背景
モトリーフールによれば、ループ・キャピタル・マーケッツのアナリストが、アップルがエヌビディア製のAIサーバーを数百台規模で購入中との見解を示したといいます。サーバーには、エヌビディアの最新アーキテクチャ「ブラックウェル・ウルトラ」を採用したモデルが含まれており、アップルが生成AIのトレーニングおよび実行環境の整備を急いでいる可能性が高いと分析されています。
アップルは今後4年間で5000億ドル規模の製造・先端技術投資を計画しており、この動きは他のメガキャップテック企業によるAIインフラ投資と足並みをそろえるものです。たとえば、マイクロソフトやアマゾン、アルファベットなどは、2025年にかけてAI関連の設備投資を急増させており、合計で3000億ドルを超えると報道されています。
エヌビディアの優位性は続くのか
エヌビディアは、AIトレーニング用GPU市場で圧倒的なシェアを誇っており、その優位性は引き続き保たれる見通しです。最新のブラックウェル・シリーズは、従来のホッパー・アーキテクチャよりも高い性能と効率性を実現しており、大手企業による次世代モデルへの移行が加速しています。特にGB300 NVL72と呼ばれる構成は、大規模言語モデル(LLM)の訓練に最適化されており、アップルを含む新規参入企業からの関心も高まっています。
モトリーフールの分析によれば、こうしたインフラ支出が今後も継続する限り、エヌビディアの収益成長と価格決定力は維持されるとの見方が優勢です。また、アナリスト予想では、同社の売上および利益は2025年以降も拡大を続けるとされています。
長期投資家にとっての魅力とは
現在、エヌビディアはフォワードPER(株価収益率)で約25倍と評価されており、AIの主要プレイヤーであることを考慮すると割安感すらあるといえる状況です。これは、長期的にAI関連分野の成長を信じる投資家にとって魅力的な水準といえます。
一方で、短期的には中国との地政学的リスクや、半導体輸出規制といった不確定要素も存在しており、エヌビディア株が市場全体の影響を受ける可能性は否定できません。しかし、各国および企業のAIインフラ整備が急速に進んでいる現状を踏まえると、同社のポジショニングは中長期的には非常に強固であると考えられます。
アップルの動きはエヌビディアの追い風となるか
アップルがAI領域への積極投資を開始したという報道は、エヌビディアにとって明るいニュースです。これまで静観していた企業が次々とAI市場に本格参入する中で、エヌビディアのGPU需要がさらに拡大する可能性は高いと考えられます。AIインフラ投資の波が続く限り、エヌビディアの成長ストーリーは続くとみてよさそうです。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA