米国のサイバーセキュリティ企業、クラウドストライク(CRWD)は、ウォール街の予想を上回る売上を達成する可能性が高まっています。BTIGのアナリストであるグレイ・パウエル氏は、3月25日に発表した調査メモの中で、同社の株式評価を従来の「中立」から「買い」へと引き上げました。目標株価は431ドルに設定されており、これは24日の終値から約16%の上昇余地があることを示しています。
2024年のシステム障害からの完全復活
クラウドストライクの株価は、2024年7月に発生したソフトウェア更新の欠陥によって急落しました。当時、この障害により航空会社や銀行を含む多くの企業で業務が混乱し、市場の信頼が一時的に揺らぎました。
しかし、パウエル氏によれば、「ITの障害は、今や8か月前のこと」であり、最新の調査結果では、パートナー企業や顧客の大半が障害からほぼ完全に立ち直っているとのことです。これにより、クラウドストライクの信頼性が再び高まり、事業の成長軌道にも好影響を与えていると分析されています。
2027年度の売上予測、コンセンサスを上回る可能性
BTIGは、クラウドストライクの2027年度の年間継続売上(ARR)に関する市場の期待が控えめすぎると指摘しています。仮に、クラウドストライクが過去のサービス停止によって失われた売上を、顧客への補填インセンティブとして回収するにとどまったとしても、売上はコンセンサス予想を少なくとも2.5%上回ると見られています。
さらにパウエル氏は、「6%〜8%の増加の可能性の方がはるかに高い」と述べており、同社の事業回復力と営業力に対する自信を示しています。
市場の反応、株価は上昇
ファクトセットのデータによると、クラウドストライクの2027年度における年間継続売上に関する市場コンセンサスは約61億1,600万ドルとなっています。今回のポジティブなアナリスト評価を受けて、25日の取引開始直後には株価が約5%上昇し、391.94ドルを記録しました。これにより、2025年初来の株価上昇率は14%に達しています。
クラウドストライクは、AIやクラウド技術を活用した次世代のセキュリティソリューションを提供する企業として、今後も高い成長が期待されます。市場の期待を超える業績を達成できるかどうか、今後の動向が注目されます。
*過去記事はこちら クラウドストライク CRWD