AI時代の真の勝者は?ファースト・イーグル・グローバル・ファンドが注目する4銘柄

テクノロジーの進化に乗り遅れたくない長期的視点を持つ投資家は、AI関連のハードウェア投資だけでなく、実際にAIを活用してビジネスを変革している企業に注目する必要があります。

ファースト・イーグル・インベストメンツは、価値重視の投資スタイルを掲げ、長期的視点とリスク管理を武器に、数々の市場の波を乗り越えてきました。その中核ファンドであるファースト・イーグル・グローバル・ファンド(SGENX / SGIIX)は、安定した運用実績を誇っています。

この記事では、共同マネージャーのマニッシュ・グプタ氏が注目する、AI実装で利益を上げると期待される4つの企業を紹介します。

セールスフォース(CRM)— 顧客管理からAIエージェントへ

セールスフォースは、顧客関係管理(CRM)ソフトウェアの分野で世界的なリーダーです。グプタ氏によると、フォーチュン500企業のうち80%が同社の製品を利用しており、その顧客基盤の強さが大きな魅力となっています。

2024年に発表された「Agentforce」は、企業が自社のニーズに合わせてAIエージェントを構築できるプラットフォームです。通話1件あたり2ドルの課金体系は一見高く感じられるものの、企業のコールセンターにおける人件費や離職率を考慮すると、コスト削減効果は非常に大きくなります。

セールスフォースは今後、AIによる業務効率化により、営業利益の2桁成長とフリーキャッシュフローの増加を見込んでいます。

*過去記事「米国株の調整はチャンス?バロンズが選ぶ今買うべき大型成長株6選

メタ・プラットフォームズ(META)— ソーシャルメディアから次世代技術へ

メタ・プラットフォームズは、全世界で約33.5億人のアクティブユーザーを抱えるソーシャルメディアの巨人です。膨大なユーザーを維持するため、同社は多額の研究開発費と設備投資を行っています。

中でも注目されるのがReality Labs部門におけるAI関連の取り組みで、現在は年間約180億ドルの損失を出していますが、それが将来の成長の源泉となる可能性があります。

また、同社の主力事業であるデジタル広告部門の売上は、今後も2桁成長を続けると見込まれています。

*過去記事 メタ・プラットフォームズ

CHロビンソン・ワールドワイド(CHRW)— AIで物流業界を効率化

CHロビンソン・ワールドワイドは、米国のトラック輸送仲介業界で12.4%のシェアを持つリーダー企業です。独自のAI技術を活用し、例えば輸送費の見積もりにかかる時間を人手なら4時間のところ、90秒で自動生成できるシステムを導入しています。

こうした技術の導入により、同社は従来の物流業務を大幅に効率化し、さらに自社で輸送管理を行っている小売業者などへのサービス提供を拡大しています。

AIを導入できる資金力を持つ大手企業だけが競争優位を築ける領域で、同社の地位は今後ますます強固なものとなる見込みです。

TSMC(TSM)— 半導体の王者

TSMCで知られる台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC)は、世界最大の半導体受託製造会社であり、2024年には世界シェアの60%を占めました。同社の研究開発費と設備投資額は競合の売上を上回る規模で、圧倒的なスケールメリットを持っています。

エヌビディアなどAI関連企業向けの高性能GPUの製造でも高い競争力を持ち、今後の成長が期待される分野です。

台湾情勢に関する懸念については、TSMCが米国に1000億ドル規模の工場投資を行っている点がリスク分散につながるとグプタ氏は述べています。

TSMCは自社株買いをほとんど行いませんが、安定した配当を実施しており、今後も売上と1株利益の成長率が20%以上に達する見込みです。

*過去記事はこちら TSMC

ファースト・イーグル・グローバル・ファンドの運用実績とETF情報

ファースト・イーグル・グローバル・ファンドのクラスA(SGENX)の3月21日までの年初来リターンは7.1%、5年平均リターンは15.8%と、安定した実績を誇ります。クラスI(SGIIX)は5年平均で16.1%とさらに高く、モーニングスターによると同カテゴリ内で上位7%のパフォーマンスを記録しています。

また、2024年12月にローンチされたファースト・イーグル・グローバル・エクイティETF(FEGE)は、3月21日時点で8.5%のリターンを達成しており、純資産の49%が米国企業に投資されています。

以下は、ETFの上位10銘柄(2025年3月24日時点)です:

  • メタ・プラットフォームズ(3.3%)
  • オラクル(3.1%)
  • フィリップ・モリス・インターナショナル(2.8%)
  • アルファベット クラスC(2.5%)
  • サムスン電子(2.5%)
  • ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(2.4%)
  • HCAヘルスケア(2.4%)
  • エレバンス・ヘルス(2.3%)
  • ウィートン・プレシャス・メタルズ(2.2%)
  • コムキャスト クラスA(2.0%)

まとめ:AIの恩恵を受けるのは誰か?

AI関連株といえば、エヌビディアのようなハードウェア企業が注目を集めがちですが、長期的に見ればAIを業務に実装し、着実に収益を上げていく企業こそが真の勝者となる可能性があります。

ファースト・イーグル・グローバル・ファンドの投資戦略は、目先の話題に左右されず、「10年後も価値を生み出している企業」を見極めることにあります。AIが進化し続ける今こそ、こうした価値投資の視点が重要となります。

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