ピンタレストの株価が急上昇、アナリストの格上げが追い風に

3月24日の米国市場でソーシャルメディア企業、ピンタレスト(PINS)の株価が大きく上昇しました。4.57%高の33.9ドルと急騰しています(米国東部夏時間14:30現在)。背景には、金融機関グッゲンハイムのアナリスト、マイケル・モリス氏による格付けの引き上げがあります。モリス氏はこれまで「中立」としていたピンタレストの評価を「買い」に格上げし、目標株価も39ドルから40ドルに引き上げました。

今年に入り、株価はすでに18%上昇していますが、過去1年ではまだ2.5%の下落となっています。モリス氏は最近の株価下落を受けて、同社の成長性に改めて注目しており、「ピンタレストのグローバルなユーザー基盤や、売上・利益成長の初期段階にある点は、投資の魅力を高めている」とリサーチノートで述べています。

AI投資への懸念から急落後、反転の兆し

2024年11月8日、ピンタレストは第3四半期の決算で市場予想を上回る業績を発表したにもかかわらず、人工知能(AI)関連の支出拡大への懸念から株価が14%急落しました。同社のAI活用は、ユーザーへのおすすめ画像の質向上や広告配信の最適化などを目指すものです。

しかし、2025年2月7日にはセンチメントが一転。同社が初めて四半期売上で10億ドルを突破したこと、そして今四半期の売上見通しが市場予想を上回ったことが好感され、株価は19%急騰しました。加えて、第4四半期の世界月間アクティブユーザー数が過去最高を記録したことも、投資家の期待感を高めています。

AI活用とユーザー成長が売上拡大を後押し

モリス氏は、今後の成長の鍵はAIとユーザーの増加にあると見ています。2025年から2027年にかけて、AIによる広告体験の改善がピンタレストの売上を加速させ、デジタル広告市場全体を上回る成長が期待されています。

また、同氏は「マクロ経済的な逆風による広告市場の不安定さはあるが、ピンタレストはパフォーマンスベースの広告主からの売上が全体の3分の2を占めており、ブランド露出中心の企業に比べて優位性がある」と指摘しています。

他のアナリストも強気な見方を継続

ピンタレストに対して楽観的な見方を示しているのはモリス氏だけではありません。調査会社ファクトセットによると、同社をカバーするアナリスト43人のうち34人が「買い」、8人が「ホールド」、1人が「売り」と評価しています。

バンク・オブ・アメリカ証券のアナリスト、ジャスティン・ポスト氏も同様に「買い」としており、目標株価を46ドルに設定しています。同氏は「ショッピング機能を強化するプラットフォームとして、広告支出のマクロ的な影響はあるものの、トラフィックの増加と売上の改善が成長の持続に寄与する」とコメントしています。

まとめ:長期視点での投資妙味が高まるピンタレスト

ピンタレストは、AI技術の活用による広告の最適化と、グローバルユーザー基盤の拡大により、2025年以降の成長期待が高まっています。短期的には市場の不安定さに左右される可能性はあるものの、長期的にはデジタル広告市場での存在感を強める展開が見込まれます。

アナリストからの高評価も続いており、今後のピンタレストの動向は、テクノロジー株への投資を検討する投資家にとって目が離せないものとなっています。

*過去記事はこちら ピンタレスト PINS

最新情報をチェックしよう!
>

幸せな生活作りのための米国株投資。
老後資産形成のための試行錯誤の日々を報告していきます。
皆様の参考になれば幸いです。

CTR IMG