小売株が大暴落でもインサイダーや機関投資家が買い集める理由とは?注目2銘柄に迫る!

  • 2025年3月24日
  • 2025年3月24日
  • BS余話

2025年、米国の小売セクター全体が軟調な展開を見せる中、企業の経営陣や取締役による株式購入が相次いでいます。関税や貿易摩擦への懸念から消費者が支出を抑制する傾向にある一方で、インサイダーによる買いが注目されています。

たとえば、家電量販大手のベスト・バイ(BBY)の最高経営責任者(CEO)は、初めて市場で自社株を購入しました。また、ホーム・デポ(HD)の取締役も、数年ぶりに市場で株を取得しています。

機関投資家も小売株に注目

現在では、大口投資家も小売業界において株価の下落が著しい銘柄に着目しています。とくに、バーンズ・アンド・ノーブル・エデュケーション(BNED)ヴィクトリアズ・シークレット(VSCO)がその対象となっています。

バーンズ・アンド・ノーブル・エデュケーションは、2024年に株価が93%下落しました。この下落には、6月に実施された1対100の株式併合も影響しています。この併合は、ニューヨーク証券取引所の上場基準を満たすための措置の一環でした。

2025年に入ってからも、同社の株価はさらに2%下落しています。

トロ18ホールディングスがBNED株を買い増し

投資ビークルであるトロ18ホールディングスは、3月12日と13日に合計170万ドルを投じて、バーンズ・アンド・ノーブル・エデュケーションの株式202,044株を取得しました。平均購入価格は1株あたり8.57ドルでした。これにより、同社の保有株数は1,120万株に達し、発行済株式の32.9%を占めることになります。

このトロ18ホールディングスは、ハプティック技術を手がけるイマージョン(IMMR)の100%子会社です。イマージョンは、バーンズ・アンド・ノーブル・エデュケーションの会長であるウィリアム・C・マーティン氏が最高戦略責任者(CSO)を務め、同社の取締役であるエリック・シンガー氏が社長兼CEOとして指揮を執っています。

ヴィクトリアズ・シークレットの株式にも注目集まる

一方、ヴィクトリアズ・シークレットは、2024年に株価が56%上昇したものの、2025年に入ってからはその上昇分をほぼすべて失い、49%の下落となっています。

同社は2025年1月に、最高財務責任者(CFO)であるティモシー・ジョンソン氏の退任を受けて、スコット・セケラ氏を後任に指名しました。第4四半期の業績(売上)は堅調だったにもかかわらず、3月初旬に発表された今後の見通しが市場予想を下回ったため、株価は再び軟化しています。

BBRCインターナショナルが1,950万ドル分を取得

このタイミングで、BBRCインターナショナルがヴィクトリアズ・シークレットの株式を大量に購入しています。3月10日から13日にかけて、平均取得価格16.94ドルで120万株を買い付け、総額は1,950万ドルにのぼりました。これらの株式は、オーストラリアの億万長者ブレット・ブランディ氏が支配する投資ビークルを通じて取得されており、BBRCの保有株数は930万株に拡大しました。

小売セクターの下落を逆手に取る戦略か

このように、株価が大きく調整した小売企業へのインサイダーおよび機関投資家による買いが活発になっている背景には、将来的な回復を見込んだ中長期的な戦略があると考えられます。株価が割安と判断される水準まで下落したことで、今後の反発に期待する動きが強まっているのです。

2025年の小売業界は依然として不透明感がありますが、こうした動きは逆張り投資戦略として注目すべきポイントと言えます。今後の企業業績や消費者動向に注視しながら、投資判断を行うことが重要です。

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