マイクロン、予想を上回る決算も株価は下落

  • 2025年3月22日
  • 2025年3月22日
  • BS余話

米国の半導体大手マイクロン・テクノロジー(MU)の株価は、3月21日(金)の市場開始直後に7%下落し、95.83ドルとなりました。これは、20日に発表された同社の2025年度第2四半期決算が市場予想を上回ったにもかかわらず、売上総利益率のガイダンスが低下したことが影響しています。

市場全体の低迷も株価の反落に拍車をかけましたが、人工知能(AI)向けハードウェアの需要拡大が同社の成長を支えると期待するアナリストたちは依然として強気の姿勢を維持しています。

広帯域メモリ(HBM)の成長がマイクロンの業績を牽引

マイクロンはAI向けプロセッサに不可欠な広帯域メモリ(HBM)分野で著しい成長を見せています。2025年度第2四半期には、HBMチップの売上が10億ドルを突破し、前四半期比で50%の増加を記録しました。これは同社の予想を上回る結果となっています。

さらに、マイクロンは2025年におけるHBMチップの総アドレス可能市場(TAM)予測を従来の200億ドルから350億ドル以上へと大幅に引き上げました。これにより、今後の収益拡大に対する期待が一段と高まっています。

アナリストはHBMの強い需要を背景に強気継続

米証券会社ウェドブッシュのアナリスト、マット・ブライソン氏はリサーチノートで、HBMチップは2025年中に完売すると見込んでおり、AI需要の拡大がHBMの要件を押し上げると分析しています。また、HBMの成長は2026年まで継続する可能性があると指摘し、マイクロンの目標株価を従来の125ドルから130ドルに引き上げ、アウトパフォーム評価を維持しています。

UBSのティモシー・アーキュリ氏もHBM分野の技術的リーダーシップを高く評価し、買い推奨を維持しています。同氏は、目標株価として130ドルを掲げています。

DRAM・NANDの市況悪化が利益率を圧迫

一方で、アナリストたちはマイクロンの売上総利益率の低下に懸念を示しています。2025年度第3四半期の売上総利益率は、第2四半期の37.9%から36.5%へと低下する見通しです。ただし、第4四半期には再び改善が見込まれています。

この利益率の低下について、アーキュリ氏は「主にNAND事業によるもの」と分析しています。マイクロンはバランスシート上のNANDビットを削減するために、低価格・低マージンのビットを消費者市場に投入していると述べています。

AI需要がメモリ市場を牽引、今後の成長に期待

マイクロンの最高経営責任者であるサンジャイ・メヘロトラ氏は、DRAMおよびNAND製品の需要がデータセンターおよび消費者向け市場で拡大していると述べています。特に、HBM分野での技術的優位性が、従来のPCやスマートフォン向けメモリ市場からウェハーの供給を引き寄せていることが明らかになっています。

AI関連需要の高まりが続く中で、マイクロンのHBM事業は今後の業績拡大に大きく貢献すると期待されます。短期的な利益率の変動があるものの、長期的な視点では成長基盤が確立されつつあります。

*過去記事「バロンズ厳選の12銘柄!不安定な市場でも成長を続ける米国株リスト

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