テキサス・インスツルメンツ(TXN)が、シティ・グループのアナリストによって有望な投資先として推奨されています。アナログ半導体市場は近年苦戦を強いられていましたが、回復の兆しが見え始めており、投資家にとって注目すべきタイミングが訪れている可能性があります。
同社の製品は、産業用機器、自動車、消費者向け電子機器など幅広い分野で利用されており、特に自動車や産業向け市場では、パンデミック後の需要の急増に伴い、市場の調整が続いていました。
テキサス・インスツルメンツの株価動向と市場の見通し
テキサス・インスツルメンツの株価は、2025年に入ってから3.8%下落しており、投資家の間では、経済環境の悪化がアナログ半導体市場に与える影響への懸念が広がっています。しかし、これはテクノロジー関連銘柄が集まるナスダック総合指数の8.5%の下落よりも良好なパフォーマンスとなっています。
市場では、先端的な半導体メーカーよりも、アナログ半導体メーカーの将来性に対する楽観的な見方が増えてきています。
シティのアナリストがアナログ半導体市場に強気の見解
シティ・グループのアナリストであるクリストファー・ダネリー氏は、最新のリサーチノートでアナログ半導体市場に強気な見方を示しました。同氏は、以下の要因から市場が回復に向かうと予測しています。
- 在庫水準が低下している
- 利益率や1株当たり利益(EPS)が底に近い
- 売上の回復が目前に迫っており、コンセンサス予想を上回る可能性がある
ダネリー氏によると、アナログ半導体メーカーの多くは受注の増加を経験しており、市場回復の兆しが見え始めています。
シティが推奨するアナログ半導体銘柄
シティのアナリストは、カバーしているアナログ半導体企業をすべて「買い」と評価しています。推奨銘柄は以下の通りです。
- テキサス・インスツルメンツ(TXN)
- マイクロチップ・テクノロジー(MCHP)
- アナログ・デバイセズ(ADI)
- NXPセミコンダクターズ(NXPI)
シティの予測では、2026年後半までに平均70%のEPS成長が見込まれており、これは株価上昇の大きな材料となる可能性があります。
テキサス・インスツルメンツの株価が上昇
シティグループの最新レポートを受け、テキサス・インスツルメンツの株価は3月19日の米国市場で1.28%上昇し、181.74ドルとなりました。市場の期待が高まる中、アナログ半導体市場の回復が本格化するかどうかが注目されます。
今後、同社を含むアナログ半導体メーカーは、在庫調整の完了と需要の回復により、業績の改善が期待されます。投資家にとって、同社の動向は引き続き注視すべきポイントになりそうです。