AI関連株は今後どうなる?エヌビディアGTCで見えた市場のトレンドと注目銘柄

エヌビディア(NVDA)のGTC開発者イベントが開催され、多くの企業が同社との提携を発表しました。なかでも、マイクロソフト(MSFT)、アルファベット(GOOGL)、オラクル(ORCL)といった大手企業が、エヌビディアの新しいAIチップ「ブラックウェル・ウルトラ AI」を自社のクラウドサービスで提供すると発表したことが注目されています。

スパイア・グローバルがエヌビディアの技術で飛躍

今回のGTCイベントでは、大手テック企業だけでなく、スパイア・グローバル(SPIR)も大きく注目されました。同社の株価は発表直後に11%上昇しました。スパイア・グローバルは、エヌビディアの「Omniverse Blueprint」を活用し、AIを駆使した2つの気象予測モデルを発表しました。

同社の気象・気候部門のジェネラルマネージャーであるマイケル・エイルツ氏は、「エヌビディアのGPUと当社の衛星ネットワークから得られる独自の宇宙ベースデータを組み合わせることで、AI主導のモデルを開発しました。これにより、産業界が気象リスクを管理する方法が大きく変わります」と述べています。

エヌビディアの「ブラックウェル・ウルトラ AI」を採用するクラウド企業

マイクロソフトとアルファベットは、エヌビディアの新型AIチップ「ブラックウェル・ウルトラ AI」を自社のクラウドコンピューティングサービスで提供することを発表しました。また、オラクルも同様の取り組みを行い、このチップが従来のブラックウェルシステムよりも1.5倍のAIパフォーマンスを発揮すると説明しました。

これらの発表にもかかわらず、マイクロソフト、アルファベット、オラクルの株価は発表直後の取引では1%未満の上昇にとどまりました。市場はAIブームに対して慎重な姿勢を見せているようです。

自動車業界でもエヌビディアの技術が活用される

自動車業界でも、エヌビディアの技術を活用する動きが進んでいます。ゼネラル・モーターズ(GM)は、今後の自動運転支援システムにエヌビディアの車載コンピューターを採用すると発表しました。これは、トヨタ、BYD、メルセデス・ベンツなどの自動車メーカーもすでに採用している技術です。

また、ゼネラル・モーターズは、エヌビディアのAI技術を活用して、自社の組立ラインの「デジタルツイン」を作成すると発表しました。これにより、工場のシミュレーションが可能になり、生産効率の向上が期待されます。ゼネラル・モーターズの株価は、この発表を受けて0.4%上昇しました。

医療業界でもAI活用が加速

GEヘルスケア(GEHC)とエヌビディアは、AIを活用して医療診断を行う技術の共同開発を発表しました。X線や超音波などの医療画像をAIが解析し、診断プロセスを自動化することを目指しています。

医療業界では、人手不足が深刻化しており、2025年には医療費の増加も懸念されています。市場調査会社のアポロ・インテリジェンスが実施した調査によると、医療従事者200人のうち86%が「AIが今後の医療業界を大きく変革する」と回答し、すでに67%がAIを活用していると答えました。

エヌビディアのヘルスケア部門担当副社長であるキンバリー・パウエル氏は、「医療業界はAIの最も重要な応用分野の一つです。医療サービスの需要が供給を大きく上回っているため、AIの活用が不可欠となっています」と述べました。しかし、GEヘルスケアの株価の上昇は0.1%にとどまりました。

まとめ

エヌビディアのGTCイベントでは、多くの企業が同社の技術を活用した新たな取り組みを発表しました。マイクロソフトやアルファベットなどのクラウド大手企業だけでなく、スパイア・グローバルやゼネラル・モーターズ、GEヘルスケアといった異業種の企業も、エヌビディアのAI技術を活用しています。

市場はAIブームに対して慎重な姿勢を見せていますが、今後の技術革新によって、エヌビディアの影響力がさらに広がる可能性があります。今後の動向にも注目が集まります。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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