パランティア・テクノロジーズ(PLTR)の株価は、人工知能(AI)への期待によって急騰してきました。しかし、2025年3月18日現在、株価は調整局面を迎えています。ジェフリーズのアナリストは、「同社の株価は過大評価されており、今後下落のリスクがある」と指摘しています。実際、過去1カ月で30%下落しましたが、それでも1年前と比較すると267%の上昇を記録しています。
パランティア株の下落要因とは?
18日の米国市場でパランティアの株価は2.5%下落し、85.17ドルとなっています(米国東部夏時間午後12:20現在)。ジェフリーズのアナリスト、ブレント・シル氏が率いるチームは、同社のAIプラットフォームに関する顧客イベント、AIPConに注目しました。このイベントでは、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)やハイネケン・ホールディング(HEIO)といった大手企業が、パランティアの技術を活用することで業務効率を向上させた事例が紹介されました。
例えば、ウォルグリーンは、パランティアの技術を活用して「AI駆動のワークフローを構築し、リアルタイムの労働配分を最適化することで、業務効率を向上させた」と報告しています。これにより、パランティアの技術が実際のビジネスに大きな影響を与えていることが示されました。
株価に影響を与える「過大評価」の懸念
ジェフリーズのアナリストは、「このようなポジティブな要素はすでに株価に織り込まれている」と分析しています。同社の株価は2026年の売上予測に基づく株価収益倍率(PER)で45倍となっており、これはジェフリーズがカバーする銘柄の中で最も高い評価水準です。
さらに、パランティアの共同創業者であるスティーブン・コーエン氏が、ここ数日間で3億1000万ドル相当の株式を売却したことも注目を集めています。内部関係者の売却は、投資家にとって警戒すべきシグナルのひとつと考えられています。
パランティア株の今後の見通し
パランティアのビジネスは堅調に成長しているものの、株価がすでに高い評価を受けているため、今後のパフォーマンスには慎重な姿勢が求められます。AI関連銘柄への期待は依然として高いですが、投資家は企業の成長余地と現在のバリュエーションを冷静に判断する必要があります。
特に、エヌビディア(NVDA)などAI関連銘柄の動向が市場全体に影響を与える可能性があるため、今後のAI市場の成長とともにパランティアの業績がどのように推移するのかが注目されます。
まとめ
パランティア・テクノロジーズの株価は、AIブームに乗って大幅に上昇しましたが、現在は調整局面を迎えています。企業の業績は好調であり、AI技術の導入による実績も示されていますが、株価の過熱感や内部関係者の売却が懸念材料となっています。投資家は、これらの要素を考慮しながら慎重に判断することが重要です。
*過去記事はこちら パランティア PLTR