テスラの目標株価が再び引き下げられる – EV市場の競争激化で株価に影響

テスラ(TSLA)の目標株価引き下げが続いています。3月14日、ウェルズ・ファーゴのアナリストであるコリン・ランガン氏は、テスラの目標株価を130ドル(以前は135ドル)に引き下げました。さらに、「売り」の評価を継続しました。

ランガン氏は、2025年第1四半期の納車台数予測を36万台に引き下げ、価格引き下げの効果が薄れつつあると指摘しました。さらに、中国の電気自動車(EV)市場の競争激化がテスラにとって大きな課題になっていると述べています。また、米国の連邦購入税額控除(最大7,500ドル)が撤廃される可能性にも言及しました。

2025年の納車予測が170万台未満に減少

ランガン氏は、2025年第2四半期の納車台数は45万台に回復すると予想しています。これは、新型モデルYや「手頃な価格のModel 2.5」の投入による影響とみられます。しかし、年間の納車予測は180万台超から170万台未満に引き下げられました。

テスラは2024年に約180万台を納車しましたが、これは2023年とほぼ横ばいの水準です。ランガン氏は、テスラに対する抗議活動が続いた場合、さらなる下振れリスクがあるとも指摘しています。

株価上昇も市場の評価は依然厳しい

3月14日の取引で、テスラの株価は前日比3.9%上昇し、249.98ドルとなりました。一方、S&P 500は2.1%、ダウ平均株価は1.7%上昇しました。

一見すると、目標株価引き下げ後に株価が上昇するのは不思議に思えますが、それでも先週のテスラ株は約5%下落しています。

ランガン氏の目標株価引き下げは、JPモルガン、ベアード、CFRA、UBSによる同様の動きに続くものです。これらの企業も、第1四半期の納車台数見通しを引き下げています。

JPモルガンとUBSは「売り」評価を維持しており、ベアードとCFRAは「買い」評価を継続しています。

アナリストの平均目標株価は371ドル

ファクトセットのデータによると、テスラのアナリスト平均目標株価は約371ドルとなっており、数週間前の379ドルからわずかに低下しました。

テスラをカバーしているアナリストのうち、48%が「買い」評価をしています。S&P 500銘柄の平均「買い」評価比率は55%であり、テスラ株の評価は市場平均を下回る状況となっています。

今後のテスラ株の見通し

テスラはEV市場の競争激化、米国の税制変更のリスク、そして価格引き下げによる効果の限界という3つの大きな課題に直面しています。

2025年には、新型モデルの投入による納車台数の増加が期待されるものの、市場は引き続き慎重な姿勢を崩していません。目標株価の引き下げが続く中、テスラの株価動向には引き続き注目が必要です。

*過去記事「テスラの株価低迷が続く―投資家の不安要因とは?

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