消費減速時代の最強株?マイクロソフトが投資家に選ばれるワケ

マイクロソフト(MSFT)は、この1年間で主要なビッグテック企業の中で最もパフォーマンスが低い銘柄となっています。しかし、D.A.ダビッドソンのアナリストであるギル・ルリア氏は、今後の見通しに楽観的な見方を示しています。

ルリア氏はこのほど、マイクロソフトの目標株価を425ドルから450ドルに引き上げました。同氏によると、マイクロソフトは同業他社よりもビジネス色が強く、消費支出の鈍化に対する耐性が高いと評価されています。

「マグニフィセント・シックス」の中で唯一株価が下落

ルリア氏は、マイクロソフトを同氏が「マグニフィセント・シックス」と呼ぶ主要テクノロジー企業(テスラを除く大手企業)と比較しています。この6銘柄の中で、マイクロソフトだけが過去1年間で株価を下げており、ルリア氏が格下げしてからの6ヶ月間でも他の銘柄に遅れを取ってきました。

最近の株価の下落は、これまでの設備投資の増加による影響が反映されている可能性があります。しかし、マイクロソフトは今後数四半期にわたって設備投資を横ばいに保ち、2026会計年度までにはその成長を鈍化させる方針を示しています。

サティア・ナデラCEOの戦略とデータセンター投資の変化

サティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は、最近の「ドワルケシュ・ポッドキャスト」のインタビューで、2027年と2028年にデータセンターの容量を建設するのではなく、リースで増やす計画を明らかにしました。この戦略変更は、設備投資の負担を軽減し、より柔軟な成長戦略を可能にするものと考えられます。

また、ルリア氏は、マイクロソフトが資本支出をさらに抑制していることを示す証拠を、コアウィーブの株式公開申請から得たと述べています。このAIクラウドサービス企業の売上の62%はマイクロソフトによるものとされており、マイクロソフトがクラウドインフラを外部委託する動きを強めていることがうかがえます。

さらに、オープンAIの「スターゲイト・プロジェクト」も、マイクロソフトの戦略転換を示す重要な要素となっています。このプロジェクトは、マイクロソフトがもはや大規模なAIトレーニングに積極的に関与しないことを示唆しており、同社はより収益性の高いChatGPTの推論ワークロードに注力する方針を取っています。

消費支出の減速に強い企業としてのマイクロソフト

ルリア氏は、エヌビディアを除くビッグテック企業の中で、マイクロソフトが個人消費の減速を乗り切るのに最も有利な立場にあると考えています。現時点では消費者支出の減速の程度は明確ではありませんが、減速の可能性は高いと指摘されています。

この点を踏まえると、マイクロソフトの業績予想に対するリスクは他のメガキャップ企業よりも小さいと考えられます。そのため、「マグニフィセント・シックス」の中で最もディフェンシブな銘柄となる可能性が高いと言えます。

まとめ

マイクロソフトは、過去1年間でビッグテックの中で最もパフォーマンスが低かったものの、今後の成長戦略や市場環境を考慮すると、今後は他の銘柄を凌駕する可能性があります。設備投資の抑制やクラウドインフラの外部委託、個人消費の減速に対する耐性の高さなどが、マイクロソフトの強みとなりそうです。

今後のマイクロソフトの動向に注目が集まります。

*過去記事はこちら マイクロソフト MSFT

最新情報をチェックしよう!
>

幸せな生活作りのための米国株投資。
老後資産形成のための試行錯誤の日々を報告していきます。
皆様の参考になれば幸いです。

CTR IMG