アプラビンの株価が上昇、バンク・オブ・アメリカが強気の評価

  • 2025年3月13日
  • 2025年3月13日
  • BS余話

アプラビン(APP)の株価が3月12日の米国市場で上昇しました。これは、バンク・オブ・アメリカ証券のアナリストが、同社の広告テクノロジー戦略がアルファベット(GOOGL)のグーグルやメタ・プラットフォームズ(META)と類似していると指摘したためです。

目標株価は580ドル、現在の株価から125%の上昇を見込む

バンク・オブ・アメリカのアナリストであるオマール・デスーキー氏は、アプラビンの株式を「買い」と評価し、目標株価を580ドルに設定しました。これは、11日の終値257.76ドルから125%の上昇を見込んでいます。

デスーキー氏は12日にアプラビンの最高経営責任者(CEO)であるアダム・フォロギ氏と会談し、その結果、同社の競争優位性やデジタル広告市場における成長の可能性をより明確に理解したと述べました。特に、グーグルやメタと類似したビジネスモデルを持ちながら、独自の強みを発揮できる点が投資家にとって魅力的だと指摘しています。

AI技術と独自データが競争優位性を確保

アプラビンは、モバイルゲームの広告収益を最大化するために、人工知能(AI)モデルのトレーニングに数十億ドルを投資しています。この独自データにより、競争力を維持していると評価されています。グーグルやメタも同様の取り組みを行うことが可能ですが、これらの企業は自社広告のプラットフォームを運営しているため、追加コストが発生する可能性があると指摘されています。

12日の取引では、13時過ぎの段階でアプラビンの株価が5.5%上昇し、271.95ドルとなりました。

過去1年で325%の株価上昇、しかし短期的な不安要素も

アプラビンは2012年に設立され、2021年に株式を公開しました。直近では、AIを活用した広告技術ソフトウェア「Axon 2.0」の発表が投資家の注目を集めました。

過去1年で同社の株価は325%上昇しており、継続的な売上成長が市場の楽観的な見方を支えています。2024年の売上は前年比43%増の47億1000万ドルとなり、2021年の株式公開時から69%の増加となりました。

しかし、最近では空売り投資家からの懐疑的な見方が出ており、株式市場全体の不安定な状況も影響しています。その結果、2025年の年初から株価は17%下落しました。

空売り投資家からの指摘とアプラビンの反論

空売りを行うFuzzy Panda ResearchとCulper Researchは、2月26日にそれぞれのレポートを発表し、アプラビンがメタの広告ターゲティング戦略を模倣していると指摘しました。さらに、アプラビンが制作する広告がグーグルやアップルのアプリストアの利用規約に違反している可能性があるとも主張しました。

これに対し、CEOのフォロギ氏は、報告書の内容を全面的に否定するブログ記事を公開しました。

アナリストの見解は依然として強気

市場の一部には懸念があるものの、多くのアナリストは依然としてアプラビンに強気の見方を維持しています。ファクトセットの調査によると、同社をカバーする29社のアナリストのうち21社が「買い」、6社が「保留」、2社が「売り」と評価しています。

デスーキー氏は「最近の市場の勢いは弱まっているが、複数の空売り報告書は当社が面談した投資家にほとんど影響を与えていない。これは、グーグルやメタと比較して割安な価格で、長期的な成長企業を取得する機会を提供している」と述べています。

アプラビンの今後の株価動向に注目が集まる中、同社のAI技術とデータ主導の広告戦略が、長期的な成長を支える要因となるかが重要なポイントとなりそうです。

*過去記事「アプラビンの株価暴落、理由は?空売りレポートの衝撃と投資家の選択肢

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