アサナ株が急落、CEOの電撃退任と業績見通しの悪化が影響

  • 2025年3月12日
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業務管理ソフトウェアを提供するアサナ(ASAN)の株価が急落しています。3月10日、同社の共同創業者でありCEOを務めていたダスティン・モスコビッツ氏が退任することを発表しました。これを受け、アフターマーケットで株価が大幅に下落し、3月11日午前の取引では一時前日比27%減の12.23ドルまで下落しました。

CEO交代の影響と市場の反応

アサナは、新たなCEOが就任するまでの間、モスコビッツ氏が引き続き経営を支援すると発表しました。また、同氏は引退後も同社の取締役会の議長として関与し、大株主としての立場を維持するとしています。

しかし、投資家の間では、モスコビッツ氏の退任が単なる経営陣の交代以上の影響を及ぼす可能性があると懸念されています。特に、同氏が過去にアサナの株を積極的に購入していたことから、同社への信頼が揺らぐリスクがあると指摘されています。

アナリストの評価と目標株価の引き下げ

アナリストの間でも、今回のCEO交代と業績見通しの悪化について慎重な見方が広がっています。

  • キーバンクは「CEO交代が投資家に与える影響は大きく、単なるリーダーシップの交代以上の懸念がある」と述べ、同社の評価を「ホールド」に据え置きました。
  • ジェフリーズは目標株価を19ドルから15ドルに引き下げ、「マクロ経済の不透明感が続く中、テクノロジーセクターへの逆風が依然として強い」と指摘しています。
  • UBSのアナリストであるテイラー・マギニス氏も、目標株価を18ドルから14ドルに引き下げました。同氏は「売上見通しが市場予想を下回ったことが失望を招いた」と分析しています。

2025年Q1の売上ガイダンスが市場予想を下回る

アサナは3月10日に2025年度第4四半期の決算を発表しました。売上はアナリスト予想を上回り、調整後の損益も前年同期の1株当たり4セントの損失から収支均衡まで改善しました。しかし、2026年度第1四半期の売上ガイダンスは184.5億~186.5億ドルと発表され、市場予想の191億ドルを下回りました。

キーバンクのアナリストは「今回の株価の下落は、単なる期待の剥落以上の要因が影響している」と指摘しています。「現在の市場環境では、複数の不確定要素があり、全体的にネガティブな要素が多い」と述べています。

まとめ

アサナのCEO交代と売上見通しの下方修正が、投資家心理に大きな影響を与えています。特に、モスコビッツ氏が長年にわたってアサナの成長を支えてきたことから、その退任は投資家にとって大きな不安要素となっています。

また、マクロ経済の不透明感やテクノロジー業界の逆風も、同社の成長に影響を及ぼしており、今後の展開には注意が必要です。新たなCEOがどのような経営方針を打ち出すのか、今後の発表に注目が集まります。

*過去記事「アサナの株価が44%上昇、四半期決算が好感される

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