3月11日(火)の米国株式市場は、トランプ大統領による関税政策の不透明感を背景に主力株に売りが出ました。半面、ウクライナとロシアの停戦交渉が進むとの期待は相場を下支えしました。ただ、主要３指数はいずれも下落しています。
以下は、11日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
サウスウエスト航空 (LUV)
- 株価変動: +8.34%
- 詳細: 米国の大手格安航空会社サウスウエスト航空は、手荷物料金の導入を発表し、収益拡大策が好感されて株価が上昇しました。他の航空会社が業績見通しを下方修正する中、同社は独自の収益戦略を進めています。
USスチール (X)
- 株価変動: +5.46%
- 詳細: 米国の大手鉄鋼メーカーであるUSスチールは、トランプ政権の鉄鋼関税発表を受けて株価が急騰しました。関税による保護措置が短期的な業績押し上げ要因となり、投資家の買いが集まりました。
テスラ (TSLA)
- 株価変動: +3.79%
- 詳細: 世界的なEVメーカーであるテスラは、前日の15%下落から反発し3.8%の上昇を記録しました。ただし、今年に入って42%下落しており、四半期納車台数の減少やイーロン・マスクCEOの政界関与への懸念が依然として売り圧力となっています。
アルコア (AA)
- 株価変動: +3.16%
- 詳細: 世界有数のアルミニウムメーカーであるアルコアは、鉄鋼・アルミ関税の発表を受けて上昇しました。米国内でのアルミ需要増が期待される一方、貿易摩擦の長期的影響が懸念されています。
ニューコア (NUE)
- 株価変動: +2.53%
- 詳細: 米国の大手鉄鋼メーカーであるニューコアは、トランプ政権の関税発表を受けて上昇しました。カナダが報復関税を発表したものの、オンタリオ州が電力関税の撤回を示唆したことも投資家の安心材料となりました。
パランティア・テクノロジーズ (PLTR)
- 株価変動: +2.19%
- 詳細: データ分析プラットフォームを提供するパランティアは、前日に10%下落した後、2.2%回復。年初来では1%の上昇と低迷が続いています。2月の最高値から37%下落しており、今後の成長見通しが注目されています。
エヌビディア (NVDA)
- 株価変動: +1.66%
- 詳細: 世界最大のAIチップメーカーであるエヌビディアは上昇しましたが、年初から20%下落しています。2022年以来の最悪の年初スタートとなり、投資家の警戒感が続いています。
アップル (AAPL)
- 株価変動: -2.92%
- 詳細: 世界最大のテクノロジー企業であるアップルは、前日の4.9%下落に続き、2.9%下落しました。シティのアナリストは2025年のiPhone販売予測を下方修正し、AIアシスタント「Siri」のアップデート遅延が影響していると指摘しています。
＊関連記事「アップル株が2年半ぶりの大幅下落、要因はiPhone販売予測の下方修正とAI機能の遅れ」
オラクル (ORCL)
- 株価変動: -3.10%
- 詳細: 企業向けソフトウェアおよびクラウドサービスを提供するオラクルは、第3四半期決算が市場予想を下回り、株価は3.1%下落。同社はOpenAI、Meta、エヌビディアとクラウド契約を締結しましたが、売上成長は鈍化する可能性があります。
＊関連記事「オラクルの株価が時間外取引で下落 – クラウド売上の予想未達が影響」
ベライゾン (VZ)
- 株価変動: -6.58%
- 詳細: 米国の大手通信会社ベライゾンは、競争激化により、契約者増加の鈍化を発表。市場は成長鈍化を懸念し、6.6%の下落となりました。
デルタ航空 (DAL)
- 株価変動: -7.25%
- 詳細: 米国の大手航空会社であるデルタ航空は、第一四半期の収益予想を下方修正し7.2%急落しました。経済の不透明感が消費者と企業の信頼を低下させ、航空業界全体に影響を及ぼしています。
アメリカン航空 (AAL)
- 株価変動: -8.32%
- 詳細: 米国の大手航空会社であるアメリカン航空も業績予想を下方修正し、国内旅行需要の低迷が懸念されています。他の航空株も影響を受けました。
テラダイン (TER)
- 株価変動: -17.05%
- 詳細: 半導体テスト装置メーカーであるテラダインは、短期的な事業の不透明感を理由に17%急落しました。貿易摩擦や関税の影響が懸念されています。
コールズ (KSS)
- 株価変動: -24.07%
- 詳細: 米国の大手百貨店チェーンであるコールズは、通期ガイダンスが市場予想を大幅に下回り、24%の急落。売上は前年同期比5%～7%減となる見込みで、厳しい経営環境が続きそうです。
アサナ (ASAN)
- 株価変動: -24.22%
- 詳細: 業務管理ソフトウェアを提供するアサナは、CEOのダスティン・モスコビッツ氏の退任発表を受け、株価が急落しました。また、第1四半期の売上高予想が市場予想を下回ったことも影響しました。
＊関連記事「アサナ株が急落、CEOの電撃退任と業績見通しの悪化が影響」
＊過去記事 株価変動