TSMCの売上が39%急増!エヌビディアのAIチップ需要が成長を牽引する理由とは?

  • 2025年3月10日
  • 2025年3月10日
  • TSMC

TSMCとして知られる台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM)の2025年最初の2か月の売上が前年比39%増加し、2024年の通年成長率34%を上回る結果となりました。この成長は、エヌビディア(NVDA)のAI向け半導体の需要が引き続き堅調であることを示しています。

同社が発表した1月と2月の合計売上は5,533億台湾ドル(約168億ドル)となっており、市場予測では第1四半期の売上成長率が約41%になると見込まれています。TSMCは世界のAI半導体の大半を製造しているため、その売上はAI業界の動向を示す重要な指標となります。

ウォール街やシリコンバレーでは、エヌビディアの成長を支えたAI市場の熱狂がどこまで持続するのかについて議論が続いています。特に中国のディープシークが、よりコスト効率の高いAI開発手法を提示したことが注目されています。

AIチップの需要がTSMCの売上を押し上げる

ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリストによると、1月の台湾のIC(集積回路)輸出が大幅に増加しており、AIチップの需要がTSMCの売上を押し上げていると考えられます。さらに、300mmシリコンウェーハの出荷量は回復の兆しを見せていますが、200mmウェーハに関しては自動車や産業向けの需要が弱まっている状況です。電子部品の売上を押し上げるには、消費者向けデバイス市場の回復が必要とされています。

また、ブロードコム(AVGO)は先週、AIコンピューティングへの投資が引き続き活発であると発表し、市場に安心感をもたらしました。さらに、台湾の大手電子機器メーカーである鴻海精密工業(Foxconn)も、2025年最初の2か月の売上が前年比25%増加したことを報告し、前年を上回るペースで成長しています。

トランプ大統領の政策がTSMCに与える影響

TSMCが2025年に直面する大きな不確実要因の一つは、トランプ大統領が半導体輸入に関税を課すかどうかという点です。TSMCはこの動きに先駆けて、在庫の積み増しや先行発注の恩恵を受けた可能性があります。

先週、TSMCの最高経営責任者(CEO)はトランプ大統領とホワイトハウスで会談し、米国での追加投資として1,000億ドルを投じる計画を発表しました。これは、外国企業による米国製造業への投資としては過去最大級の規模となります。この投資計画は関税回避を目的とした動きと広く見られていますが、一方で先端技術の台湾からの流出を懸念する声も上がっています。

1,000億ドルの追加投資とTSMCの財務への影響

ブルームバーグ・インテリジェンスのクレジットアナリストであるセシリア・チャン氏によると、この1,000億ドルの追加投資はTSMCの信用格付けには影響を与えないとのことです。同社は過去最高の純現金残高である440億ドルを保有しており、財務的な安定性が確保されているためです。

しかし、今回の投資により、損益分岐点の到達時期が長引き、利益率に影響を与える可能性があります。特に、トランプ大統領がCHIPS法による補助金の停止を求めているため、これが実現すればTSMCのコスト負担が増加することが懸念されています。

まとめ

TSMCの売上は、2025年の最初の2か月で39%の成長を記録し、AIチップ市場の需要が依然として高いことを示しています。エヌビディアの半導体需要がTSMCの業績を支える一方で、トランプ大統領の関税政策やCHIPS法の補助金削減の可能性が今後の成長に影響を与える可能性があります。TSMCの1,000億ドルの追加投資は、米国市場での競争力を高める狙いがありますが、財務的な影響についても注視する必要があります。

*過去記事はこちら TSMC

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