エヌビディアが依然として成長株として魅力的である5つの理由

このところのエヌビディア(NVDA)の株価は、まるでジェットコースターのような値動きを見せています。決算発表前の上昇、発表後の8.5%の下落と反発。そして、先週の5日間では大きく下落し、週間の下落率は9.79%に達しました。

米国の投資情報サイト、モトリーフールは3月7日付けの記事「5 Reasons Why Nvidia Is Still in a League of Its Own」の中で、このような短期的な値動きに振り回されるのではなく、エヌビディアの中長期的な成長ポテンシャルを評価すべきだと提言しています。そこで、この記事ではモトリーフールが挙げた「エヌビディアが依然として成長株として魅力的である5つの理由」を紹介しつつ、エヌビディア株の今後の見通しを考えてみます。


エヌビディアの顧客はAIへの巨額投資を継続

モトリーフールの記事では、エヌビディアの成長を支えているのはAIへの旺盛な投資であると指摘しています。

特に、アマゾン(AMZN)、マイクロソフト(MSFT)、アルファベット(GOOGL)、メタ・プラットフォームズ(META)などのハイパースケーラー企業がエヌビディアのGPUを大量に購入しており、その動向がエヌビディアの業績を大きく左右しています。

これらの企業の2025年の設備投資計画を見ると、AI分野への投資が継続することが分かります。

  • メタ・プラットフォームズ:650億ドル
  • アルファベット:750億ドル
  • マイクロソフト:約800億ドル
  • アマゾン:約1000億ドル

このような巨額投資がエヌビディアの売上を押し上げる要因となっています。記事では、こうした企業がエヌビディアの主要顧客であることが「リスク」として指摘されることもありますが、財務基盤が強固な企業が顧客であることはむしろ安定した収益源となると解説しています。


競争相手はほぼ不在

エヌビディアの成長を脅かす最大の要因の一つは競争の激化です。しかし、モトリーフールの記事は、現時点でエヌビディアに匹敵する競争相手はほとんどいないとしています。

例えば、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)はデータセンター向けGPU市場でエヌビディアのシェアを奪おうとしていますが、期待したほどの成果を上げられていないのが現状です。その影響でAMDの株価は52週間の安値付近にとどまっており、昨年3月の最高値から55%以上下落しています。

また、ブロードコム(AVGO)はAI分野において成長を遂げていますが、GPUではなく特定用途向け集積回路(ASIC)が中心であり、エヌビディアとは競争構造が異なります。

インテル(INTC)もGPU市場への参入を試みていますが、大きな影響を与えるには至っていません。

エヌビディアの最新AI向けチップ「ブラックウェル」は、発売からわずか1四半期で110億ドルの売上を達成し、同社史上最速の成長を記録しました。記事では、エヌビディアの革新的な製品開発力が競争優位性を維持する要因であると指摘しています。


高い利益率と急速な売上成長

エヌビディアの高い利益率も、モトリーフールが評価するポイントの一つです。

2025年度第4四半期の粗利益率は73%で、前年同期比で3ポイント低下しました。しかし、通期では75%となり、2024年度の72.7%から上昇しています。ただし、2026年度第1四半期のガイダンスでは70.6%に低下する見込みです。

これについて、エヌビディアのCFOであるコレット・クレス氏は以下のように説明しています。

「ブラックウェルの生産拡大により、短期的には粗利益率が低下する見込みです。しかし、量産が進めばコスト削減が可能となり、年内には粗利益率が75%前後に回復すると見込んでいます。」

このように、一時的な利益率の低下は製品の急速な普及によるものであり、長期的には再び高い利益率を維持できる可能性が高いと記事では分析されています。


割安ともいえる評価額

エヌビディアの株価は高騰していますが、それでもなお「割安」と言える要素があるとモトリーフールは指摘しています。

記事が書かれた時点のエヌビディアの予想PER(株価収益率)は27.8倍で、以下の企業よりも低い水準です。

  • アマゾン(AMZN)
  • アップル(AAPL)
  • ブロードコム(AVGO)
  • マイクロソフト(MSFT)

記事では、エヌビディアのように業界を支配し、急成長を続ける企業でこのPERは割安と評価できると述べています。


強固な財務基盤

エヌビディアは、2025年度末時点で86億ドルの現金および現金同等物、346億ドルの市場性証券を保有しており、長期負債はわずか85億ドルです。

さらに、2025年度の利息収入は18億ドルに達し、前年度の8億6600万ドルから倍増しています。これは、エヌビディアが借入金に依存せず、内部資金だけで成長投資を継続できることを示しています。

景気が悪化した場合でも、同社は強固な財務基盤を活かして研究開発を進めることが可能です。これが競合企業に対する大きな優位性の一つとなっています。


エヌビディア株の下落は買いのチャンスか?

モトリーフールの記事では、短期的な株価の変動に一喜一憂せず、長期的な成長に着目すべきだと強調しています。特に、AI関連の設備投資が継続する限り、エヌビディアの成長余地は十分にあると分析されています。

投資家にとって重要なのは、3〜5年の長期投資視点を持つことです。短期的な調整局面は、むしろ買いの好機となる可能性があります。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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