ナスダック、24時間取引の導入を計画 – 2026年後半に開始の可能性

  • 2025年3月8日
  • 2025年3月8日
  • BS余話

アメリカの証券取引所であるナスダック(NDAQ)が、週5日の24時間取引を導入する計画を進めています。同社は現在、規制当局の承認を得るための準備を進めており、2026年後半には取引延長の準備が整うと見込んでいます。

24時間取引の導入による投資機会の拡大

ナスダックのタル・コーエン社長は、同社の24時間取引の導入について発表し、投資家のアクセス拡大や富を築く機会の増大を目指していると述べました。これにより、市場の仕組みが再定義される可能性があると強調しています。

現在、夜間取引の取引量は日中の取引量よりも少ないですが、証券会社は夜更かしをする投資家や、米国市場へのアクセスを求める外国人投資家に向けた新たな機会を見出しています。

ナスダックの強みを活かした夜間取引の実現

現在、個人投資家向けの夜間取引は、ブローカー・ディーラーのプラットフォームや代替取引システム(ATS)を通じて提供されています。しかし、ナスダックは広範な取引インフラと強固な監視体制を活用し、より高い流動性と価格発見を提供することで、証券会社のビジネスを獲得できる可能性があります。

コーエン社長は「ナスダックは長年にわたりテクノロジーとインフラへ投資を行い、安定性・キャパシティ・回復力を備えた世界クラスの24時間取引環境を提供できると信じている」と述べました。

個人投資家の増加と市場の変化

ナスダックのこの動きは、過去10年間で個人投資家の増加が進んでいることにも合致しています。手数料の低下やスマートフォン投資アプリの普及により、株式市場へのアクセスは格段に向上しました。

かつては証券会社に電話をして注文を出す必要がありましたが、現在はスマートフォンのワンタップで簡単に取引ができるようになりました。コーエン社長も、「個人投資家の台頭は、世界の投資環境を大きく変えた」と指摘しています。

主要な証券会社も24時間取引を拡大

ナスダックの動きに先駆けて、チャールズ・シュワブも24時間取引サービスを拡大しました。同社のトレーディング・サービス責任者であるジェームス・コスチュリアス氏は、「若い世代は、リアルタイムで必要なときに取引を行うことに関心を持っている」と述べています。

また、ロビンフッド・マーケッツインタラクティブ・ブローカーズなどの証券会社も、すでに24時間取引を提供しています。このような市場の動きを受け、ナスダックが夜間取引へ移行するのは必然的ともいえます。

ナスダックの次のステップ

ナスダックは、規制当局、市場参加者、その他の関係者と協力しながら、2026年後半の24時間取引開始を目指しています。コーエン社長は、「問題は24時間稼働する市場を構築できるかどうかではなく、投資家の信頼を強化する形でどのように構築するかである」と述べました。

ナスダックのこの動きは、今後の世界の金融市場に大きな影響を与える可能性があります。24時間取引が実現すれば、投資家の利便性が向上し、より柔軟な取引環境が整うことが期待されます。

*過去記事「24時間取引は米国株式市場の未来か?暗号資産の影響で加速するトレンド

最新情報をチェックしよう!
>

幸せな生活作りのための米国株投資。
老後資産形成のための試行錯誤の日々を報告していきます。
皆様の参考になれば幸いです。

CTR IMG