マーベル・テクノロジーの株価が急落|決算後の市場の反応とは?

マーベル・テクノロジー(MRVL)の株価が3月6日の米国市場で大幅に下落しました。決算発表後、投資家の期待を十分に満たせなかったことが影響し、市場の失望を招きました。本記事では、決算内容や市場の反応について詳しく解説します。

マーベル・テクノロジーの決算内容

マーベル・テクノロジーの第4四半期(1月期)の決算では、売上が18億2,000万ドルとなり、アナリスト予想の18億ドルを若干上回る結果となりました。調整後の1株当たり利益(EPS)は0.60ドルで、こちらも市場予想の0.59ドルを僅かに上回りました。

また、2025年第1四半期の業績見通しについて、売上は18億7,500万ドル(中央値)を見込んでおり、市場予想の18億7,000万ドルとほぼ一致しています。

株価が急落した理由

決算自体はアナリスト予想を若干上回ったものの、投資家の期待を十分に満たせなかったことが株価急落の要因となりました。特に、AI向けカスタムシリコン事業の成長が想定ほどの勢いを示さなかった点が失望を招いたと考えられます。

マーベルのCEOであるマット・マーフィー氏は決算発表の中で、「カスタムAIシリコンプログラムが量産段階に入り、インターコネクト製品も引き続き力強い成長を遂げている。通年での売上成長を期待している」と述べました。しかし、この発言は市場に十分な安心感を与えるには至らず、株価は19%下落し、73.26ドルまで急落しました。これは2024年10月10日以来の安値水準となります。

半導体セクター全体への影響

マーベル・テクノロジーの決算を受け、半導体業界全体にも影響が広がりました。半導体関連の代表的なETFであるiShares Semiconductor ETF(SOXX)は3.4%下落し、ナスダック総合指数(COMP)も1.5%下落しました。

また、同業他社であるブロードコム(AVGO)の株価も4.6%下落しました。同社も6日に決算発表を控えており、市場は警戒感を強めています。

アナリストの見解

一部のアナリストは、今回の決算に対して失望の声を上げています。ジェフリーズJのアナリストであるブレイン・カーティス氏は、「売上が市場予想を若干上回ったものの、アマゾン向けのAIチップ事業の成長に対する期待が高かったため、市場の期待に届かなかった」と指摘しています。

また、モルガン・スタンレーのアナリストであるジョセフ・ムーア氏も、「アマゾンのAIチップ『Trainium 2』の需要が市場予想を上回ると考えていたが、実際には予想通りだった」と述べ、期待が過度に高まっていたことを示唆しました。

マーベル・テクノロジーの事業概要

マーベル・テクノロジーは、データセンター、5Gインフラ、ネットワーキング、ストレージ市場向けの半導体製品を提供する企業です。また、大手テクノロジー企業向けにAI専用半導体(ASIC)の設計支援も行っています。

特にAI向け半導体市場においては、エヌビディア(NVDA)を筆頭に競争が激化しており、マーベルがこの分野でどの程度の成長を遂げるかが今後の株価動向に大きな影響を与えると考えられます。

今後の展望

マーベル・テクノロジーの株価は、今回の決算発表を受けて大幅に下落しましたが、AI市場の拡大に伴い、今後の成長余地は十分にあると考えられます。特に、アマゾン(AMZN)のAIチップ事業やデータセンター向け半導体市場での成長がカギを握ります。

今後の業績動向や、他の半導体企業の決算発表にも注目しつつ、投資判断を行うことが重要です。

*過去記事はこちら マーベル・テクノロジー MRVL

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