サイバーセキュリティ大手のクラウドストライク(CRWD)は3月4日、2024年の第4四半期決算を発表しました。売上は10.6億ドル、1株当たりの利益は1.03ドルとなり、市場予想を上回る結果となりました。しかし、次期業績見通しが市場予想を大きく下回ったため、決算発表後の時間外取引で株価は8%下落しました。
クラウドストライクの第4四半期決算
クラウドストライクの2024年第4四半期の業績は、売上10.6億ドル、1株当たりの利益1.03ドルでした。市場予想では売上10.4億ドル、1株当たりの利益86セントとされており、実際の結果はこれを上回りました。前年同期の売上は8.45億ドル、1株当たりの利益は95セントであり、成長を続けていることがわかります。
同社のCEOであるジョージ・カーツ氏は、決算発表の場で「あらゆる規模の企業がAIを急速に導入する中、侵害を阻止するにはサイバーセキュリティのAIネイティブ・プラットフォームが必要だ」と述べました。
業績見通しへの失望が株価に影響
クラウドストライクの株価が時間外取引で下落したのは、2025年第1四半期の利益見通しが市場予想を大幅に下回ったためです。同社は1株当たりの利益を64~66セントと見込んでいますが、ウォール街の予想では1株当たり95セントとされていました。
また、通期の業績見通しについても、1株当たり3.33ドル~3.45ドルと発表されましたが、アナリスト予想の4.40ドルを大きく下回りました。これにより、投資家の期待が後退し、株価の下落につながりました。
過去のトラブルが影響?
クラウドストライクは、昨年夏にソフトウェアのアップデートに起因する大規模なIT障害を引き起こしました。この障害では、マイクロソフトのWindows OSを使用するコンピュータが広範囲にクラッシュし、複数の業界で業務に支障が出ました。このような技術的なトラブルも、同社の業績や株価に影響を与えている可能性があります。
クラウドストライクの今後の展望
サイバーセキュリティ市場は、AI技術の発展とともに成長を続けており、クラウドストライクもこの分野で重要な役割を果たしています。しかし、今回の決算発表で示された業績見通しの弱さは、短期的な投資家心理に影響を与えました。
今後、クラウドストライクが技術力を活かし、企業のサイバーセキュリティ対策の需要を取り込めるかが注目されます。また、AIを活用した新たなサービス展開や、安定したプラットフォーム運営が求められています。