3月4日(火)の米国株式市場は、ドナルド・トランプ大統領がカナダとメキシコからの輸入品に25%の課税を行い、中国製品に10%の追加関税を発動したことを受け、下落しました。S&P500種株価指数は1.22%、ダウ平均は1.55%下落し、ナスダック総合株価指数は0.35%下落しましたが、終値は調整圏には入りませんでした。
以下は、4日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
オクタ (OKTA)
株価変動: +24.27%
概要: オクタは、クラウドベースのソフトウェアとIDアクセス・ソリューションを提供する企業です。
詳細: 第4四半期の収益と売上高が予想を上回り、第1四半期の売上高予想がウォール街予想の6億7000万ドルを超える6億7800万ドルから6億8000万ドルとなりました。これを受けて株価が急騰しました。
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ギットラブ (GTLB)
株価変動: +11.64%
概要: ギットラブはソフトウェア開発プラットフォームを提供する企業です。
詳細: 第4四半期の調整後利益が1株あたり33セントとなり、アナリスト予想の23セントを上回り黒字に転換しました。売上高は29%増の2億1140万ドルでした。2026年度の調整後一株利益は68セントから72セントの見通しで、ウォール街予想(80セント)を下回るものの、市場は好感しました。
スーパー・マイクロ・コンピュータ (SMCI)
株価変動: +8.51%
概要: スーパー・マイクロ・コンピュータはAIサーバーの開発を行う企業です。
詳細: 3日に13%下落した後、4日に8.5%上昇しました。過去3営業日で29%下落していましたが、上場廃止を回避し、財務報告書の提出期限を遵守したことが好材料となりました。
ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス (WBA)
株価変動: +5.60%
概要: ウォルグリーンズは、大手ドラッグストアチェーンです。
詳細: プライベート・エクイティ企業シカモア・パートナーズによる約100億ドルの買収交渉が報じられ、株価が上昇しました。
エヌビディア (NVDA)
株価変動: +1.67%
概要: エヌビディアは、AI向けチップの大手メーカーです。
詳細: 関税懸念から3日に8.7%下落しましたが、1.67%上昇し115.99ドルに回復しました。しかし、米国みずほ証券のアナリストは、AIハードウェアの輸出規制強化が懸念されていると指摘しています。
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ターゲット (TGT)
株価変動: -3.00%
概要: ターゲットは、米国の大手小売チェーンです。
詳細: 年末商戦の好調で第4四半期業績は予想を上回りましたが、消費者需要や関税の影響による不透明感が今後の業績の重荷になる可能性があります。
テスラ (TSLA)
株価変動: -4.43%
概要: テスラは、電気自動車(EV)メーカーです。
詳細: 米国で販売されるモデルYの部品の約15%がメキシコから輸入されているため、関税の影響を受けやすい状況です。また、中国製EVの販売台数が2月に49.2%減少したことも株価下落の要因となりました。
ゼネラルモーターズ (GM)
株価変動: -4.56%
概要: ゼネラルモーターズは、大手自動車メーカーです。
詳細: 同社だけでなく、フォード(-2.8%)、ジープメーカーのステランティス(-4.4%)も下落しました。関税により自動車価格が上昇し、業界の利益が大幅に減少する可能性があるとCEOが警告しました。
ウェルズ・ファーゴ (WFC)
株価変動: -4.84%
概要: ウェルズ・ファーゴは、大手銀行です。
詳細: JPモルガン・チェース(-4%)、モルガン・スタンレー(-5.7%)とともに銀行株が下落しました。関税による景気減速が融資需要を圧迫するとの懸念が広がりました。
ユナイテッド航空 (UAL)
株価変動: -5.96%
概要: ユナイテッド航空は、大手航空会社です。
詳細: 関税による旅行需要の減少懸念から、6%下落しました。デルタ航空(-6.4%)、ロイヤル・カリビアン(-5.9%)、カーニバル(-5.8%)も急落しました。
*過去記事 株価変動