テスラの株価が430ドルへ?モルガン・スタンレーのアナリストが強気予想

モルガン・スタンレーのアナリストであるアダム・ジョナス氏は、電気自動車(EV)大手のテスラ(TSLA)が人工知能(AI)とロボット工学への多角化を進めることで、株価が430ドルまで上昇すると予測しました。この見解が市場に影響を与え、3月3日の米国市場の午前の段階でテスラの株価は2%あまり上昇しました。

しかし、テスラのEV販売は低迷しており、同社の株価は2月に約28%も急落しました。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が政治に関与していることが一部の投資家を遠ざけているとの見方もあります。そうした中、ジョナス氏は、2025年のテスラの販売台数が前年比で減少する可能性を指摘しつつも、「投資家にとって魅力的なエントリー・ポイントが生まれる」と述べました。

テスラの目標株価は430ドル、強気予想では800ドルに

ジョナス氏は、テスラを自動車セクターのトップ・ピックに復活させ、目標株価を2月28日の終値である約293ドルから47%高い430ドルに設定しました。また、強気のシナリオでは800ドルに達する可能性があるとしています。

同氏は、テスラの自動車納入台数の鈍化は、「自動車関連のピュア・プレイから、AIやロボティクスを活用した高度に多角的な企業へと移行していることを示している」と述べました。AIとロボティクスの分野における事業展開が、テスラの成長を支える新たな柱になるとの見方を示しています。

AIとロボティクスが自動運転技術を超える商機に

ジョナス氏は、「AIとロボティクスのオーバーラップに関する分析を続ける中で、AIの非自動車分野での活用が、自律走行車よりもはるかに大きな商機を生み出し、より早く市場に採用される可能性が高まっている」と指摘しました。

テスラの株価は、2024年12月中旬に終値で479.86ドルの高値を付けた後、選挙後の40%の上昇分をほぼすべて失いました。競争が激化する中、テスラの売上にも影響が及んでいるとみられます。

マスク氏の政治的関与がテスラに与える影響

EVにおける新たな競争がテスラの売上に影響を与えていることが指摘されるとともに、マスク氏の政治的関与も投資家心理に影響を及ぼしていると言われています。

2月には、全米のテスラのショールームで抗議デモが発生しました。マスク氏が関与するDOGEによる政府職員の解雇を巡る反発もあり、多くの人々がテスラのCEOと共和党議員を批判しています。1月下旬に実施されたキニピアック大学の世論調査では、マスク氏がトランプ政権で重要な役割を果たすことに対し、53%対39%の大差で反対する結果が出ました。

今後の動向に注目

なお、テスラの強気予想を出しているのはジョナス氏だけではありません。先月、ウェドブッシュ証券のアナリストであるダン・アイブス氏も、マスク氏がトランプ大統領の第2次政権に関与することへの懸念がある中で、テスラの「アウトパフォーム」の格付けを維持し、目標株価を500ドル以上に設定しました。

今後、テスラがAIとロボティクスを活用した多角化戦略をどのように進めるのか、そして政治的な動向が株価にどのような影響を与えるのかが、投資家にとっての大きな関心事となっています。

*過去記事はこちら テスラ TSLA

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