3月3日(月)の米国株式市場は、週明けの米国株市場は、ドナルド・トランプ大統領が関税の引き上げを明言したことで大きく揺れました。大統領は、メキシコとカナダに対する25%の関税を3月4日に発効すると確認し、さらに4月2日には相互関税を発効すると予告。これにより、貿易摩擦への懸念が強まり、市場全体がリスクオフの流れとなりました。主要3指標はいずれも大きく下落しています。
以下は、3日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
BAEシステムズ (BAESY)
株価変動: +18.32%
詳細: 英国の防衛・航空宇宙企業BAEシステムズは、軍事装備やセキュリティシステムを提供する世界的リーダーです。欧州の防衛支出増加の期待を背景に、株価が大幅に上昇しました。
アレグロ・マイクロシステムズ (ALGM)
株価変動: +14.89%
詳細: 半導体メーカーのアレグロ・マイクロシステムズは、車載用センサーやパワーマネジメントICを提供する企業です。オン・セミコンダクター(ON)が買収を検討しているとの報道を受け、買収期待から株価が急上昇しました。
アプラビン (APP)
株価変動: +3.56%
詳細: 広告テクノロジー企業であるアプラビンは、アプリ開発者向けの広告プラットフォームを提供しています。5億ドルの自社株買いを発表し、株価が上昇しました。
チポトレ・メキシカン・グリル (CMG)
株価変動: +0.67%
詳細: メキシコ料理チェーンのチポトレは、新鮮な食材を使用したファストカジュアルレストランを展開しています。モルガン・スタンレーが「イコールウェイト → オーバーウェイト」へ格上げし、目標株価を65ドルから70ドルに引き上げました。
マイクロストラテジー (MSTR)
株価変動: -1.77%
詳細: ビットコインを大量に保有する企業として知られるマイクロストラテジーは、企業向けビジネスインテリジェンス(BI)ソフトウェアを提供しています。トランプ大統領の暗号資産発言にもかかわらず、ビットコインの下落が影響し、株価も下落しました。
テスラ (TSLA)
株価変動: -2.84%
詳細: 世界最大のEVメーカーであるテスラは、電気自動車とエネルギーソリューションを提供しています。2月の株価は28%下落し、過去2番目に悪い月となりました。イーロン・マスクCEOは「5年間で利益1,000%増も可能」と発言しましたが、市場の反応は鈍いようです。
*関連記事「テスラの株価が430ドルへ?モルガン・スタンレーのアナリストが強気予想」
インテル (INTC)
株価変動: -4.17%
詳細: 世界最大級の半導体メーカーであるインテルは、PCやデータセンター向けプロセッサを開発・製造しています。エヌビディアとブロードコムがインテルの18A製造プロセスをテストしているとの報道を受け、競争激化への懸念から株価が下落しました。
*関連記事「インテルの18Aプロセスにエヌビディアやブロードコムが注目」
オン・セミコンダクター (ON)
株価変動: -4.55%
詳細: 半導体メーカーのオン・セミコンダクターは、電動車両(EV)や産業向けパワー半導体を提供しています。アレグロ・マイクロシステムズの買収検討報道により、資本支出増加の懸念が広がり、株価が下落しました。
コインベース (COIN)
株価変動: -4.58%
詳細: 米国最大の暗号資産取引所であるコインベースは、ビットコインやイーサリアムなどの取引プラットフォームを提供しています。トランプ大統領の暗号資産戦略発言にもかかわらず、ビットコインが8.6%下落した影響で、株価も下落しました。
Xポン (XPEV)
株価変動: -5.7%
詳細: 中国のEVメーカーであるXポンは、自動運転技術を強みとするEVを販売しています。2月の販売台数が前年同月比570%増と急増しましたが、市場の期待に応えられず株価は下落しました。
ロビンフッド (HOOD)
株価変動: -6.41%
詳細: 株式・暗号資産取引アプリを提供するロビンフッドは、個人投資家向けの手数料無料取引で人気です。暗号資産の下落トレンドが影響し、取引量の低迷が懸念されています。
NIO (NIO)
株価変動: -8.64%
詳細: 中国の電気自動車(EV)メーカーであるNIOは、プレミアムEV市場で競争力のあるモデルを展開しています。2月の販売台数が前年同月比62%増と好調でしたが、EV業界全体の競争激化を受けて株価が下落しました。
エヌビディア (NVDA)
株価変動: -8.69%
詳細: AI向けGPUを開発する半導体メーカーであるエヌビディアは、データセンターやゲーミング市場で圧倒的なシェアを誇ります。中国のバイヤーが輸出規制を回避し、AIチップを購入しているとの報道を受け、大幅に下落しました。
*関連記事「エヌビディアの株価が急落:中国輸出規制違反の報道が影響」
リ・オート (LI)
株価変動: -10.93%
詳細: 中国のEVメーカーであるリ・オートは、長距離走行向けのレンジエクステンダーEV(REEV)を開発しています。2月の販売台数は前年同月比30%増でしたが、競争激化による利益率圧迫懸念が株価の下落要因となりました。
サノバ・エナジー (NOVA)
株価変動: -64.25%
詳細: 再生可能エネルギー関連のサノバ・エナジーは、住宅用ソーラーパネルとバッテリーのインストールを提供しています。第4四半期決算で「手元資金では債務履行が困難」と警告し、急落しました。財務リスクが浮上している状況です。
*過去記事 株価変動