半導体大手のエヌビディア(NVDA)が2025年1月期の第4四半期決算を発表しました。市場の期待を上回る売上とガイダンスを示し、特にデータセンター事業の成長が際立ちました。今回の決算発表から注目すべきポイントを詳しく解説します。
エヌビディアの1月期決算は市場予想を上回る
エヌビディアの2025年1月期第4四半期の売上は393億ドルとなり、アナリスト予想の381億ドルを上回りました。また、調整後の1株当たり利益は0.89ドルで、市場予想の0.85ドルを超える結果となりました。
この決算発表を受けて、同社のAI関連半導体の需要が依然として強いことが確認されました。特に、データセンター向けの事業が大きく成長している点が投資家の注目を集めています。
2025年4月期のガイダンスも予想を上回る
エヌビディアが発表した2025年4月期の売上ガイダンスは430億ドル(中央値)となり、市場予想の421億ドルを上回る水準となりました。
AI市場の拡大とともに、同社の成長が引き続き続くことを示唆する内容となっています。特に、クラウドサービスプロバイダーや企業のAI投資の加速が、同社の業績を押し上げていると考えられます。
データセンター事業が急成長、売上は前年比93%増
エヌビディアのデータセンター事業の売上は356億ドルとなり、前年同期比で93%増と急成長しました。同社のデータセンター向け半導体は、AIトレーニングや推論処理に不可欠なものとなっており、大手クラウドプロバイダーを中心に引き続き強い需要が続いています。
特に、クラウドコンピューティング企業からの需要が大きく、データセンター事業の売上の約50%を占めているとエヌビディアは説明しています。
次世代AIサーバー「ブラックウェル」の需要が拡大
エヌビディアのCEOであるジェンスン・フアン氏は、同社の次世代AIサーバーシステム「GB200 NVL72」について非常に前向きな見解を示しました。
「CESで発表した時よりも、今の方がさらに楽観的な見方を持っている」と述べ、AI分野でのさらなる成長を確信していることを強調しました。同社のハイエンドAIチップ「ブラックウェル」シリーズは、今後の業績のけん引役となる可能性が高いと考えられます。
米国の関税政策については「依然不透明」
エヌビディアのCFOであるコレット・クレス氏は、米国の関税政策について言及し、「タイミングや影響の度合いについては依然として不透明」との見解を示しました。
特に、米国政府の半導体輸出規制や関税の影響がどの程度及ぶのかについては、引き続き不透明な状況が続いているようです。同社の業績にどのような影響を与えるのか、今後の動向に注目が集まります。
エヌビディアの株価は決算発表後に小幅下落
決算発表後、エヌビディアの株価は時間外取引で1.49%下落しました。市場の高い期待がすでに株価に織り込まれていたため、一時的な調整が入ったと考えられます。
それでも、AI市場の成長とエヌビディアの技術力を考慮すると、中長期的な成長期待は引き続き高い状態が続くでしょう。
まとめ
エヌビディアの2025年1月期決算は、市場予想を上回る好結果となりました。特に、データセンター事業の成長が著しく、今後もAI分野の拡大が同社の成長を後押しすると考えられます。
2025年4月期のガイダンスも力強い内容となっており、次世代AIチップ「ブラックウェル」への期待も高まっています。一方で、米国の関税政策の影響は依然として不透明であり、今後の政策動向が業績に与える影響についても注視する必要があります。
エヌビディアの株価は一時的に下落したものの、AI市場の成長が続く限り、同社の業績と株価の上昇余地は依然として大きいと考えられます。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA