2月25日の米国市場で注目された大きく動いた銘柄

2月25日(火)の米国株式市場は、まちまちの展開となりました。エヌビディア(NVDA)の四半期決算発表を控え、AI関連株の巻き戻しが続いた影響で、ナスダック総合指数は1.4%下落、S&P500種株価指数は0.5%下落しました。一方、ダウ平均株価は160ポイント上昇し、市場の方向感は分かれました。
以下は、25日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。

ホーム・デポ (HD)

株価変動: +2.84%
詳細: ホーム・デポは、米国最大手のホームセンター企業で、建築資材、DIY用品、住宅設備などを提供しています。第4四半期の決算で売上高397億ドル(予想392億ドル)、EPS3.13ドル(予想3.04ドル)と市場予想を上回りました。既存店売上高も前年同期比0.8%増と予想を上回り、通期見通しも売上高2.8%増と堅調な成長が期待されています。これを受け、株価は上昇しました。

キューリグ・ドクター・ペッパー (KDP)

株価変動: +2.4%
詳細: キューリグ・ドクター・ペッパーは、米国の大手飲料メーカーで、コーヒーマシン「キューリグ」やソフトドリンク「ドクター・ペッパー」を展開しています。第4四半期の決算で、調整後EPSが0.58ドル(予想0.57ドル)、売上高は前年同期比5.2%増の40.7億ドル(予想40.1億ドル)と堅調な結果を発表しました。これを受け、株価は上昇しました。

イーライ・リリー (LLY)

株価変動: +2.31%
詳細: イーライ・リリーは、米国を代表する製薬会社で、糖尿病やがん治療薬をはじめとする医薬品を開発・販売しています。最近では減量薬市場にも参入し、「ゼップバウンド」の高用量を消費者向けに値下げすると発表しました。対象の7.5mgと10mgは、それぞれ599ドルと699ドルから月499ドルに引き下げられ、より多くの患者が利用しやすくなる見通しです。この発表を受け、株価は2.3%上昇しました。
*関連記事「GLP-1減量薬市場の変化:イーライ・リリーが廉価版ゼップバウンドを値下げ

エヌビディア (NVDA)

株価変動: -2.80%
詳細: エヌビディアは、AI・データセンター・ゲーミング向けの高性能半導体を開発する世界最大のGPUメーカーです。2月26日(水)引け後に第4四半期決算を発表予定で、アナリスト予想では調整後1株当たり利益(EPS)は0.85ドル、売上高は前年同期比72%増の381億ドルと見込まれています。しかし、米国政府が中国向けチップ輸出規制を強化する可能性が報じられたことで、投資家心理が悪化し、株価は2.8%下落しました。

パランティア・テクノロジーズ (PLTR)

株価変動: -3.13%
詳細: パランティア・テクノロジーズは、政府機関や企業向けのデータ分析ソフトウェアを提供する企業です。AI技術を活用した軍事契約を多く結んでおり、米国の国防予算削減が業績に影響を与える可能性が指摘されています。5日連続の株価下落となり、投資家の慎重姿勢が強まりました。

コインベース・グローバル (COIN)

株価変動: -6.42%
詳細: コインベース・グローバルは、米国最大の暗号資産(仮想通貨)取引所を運営する企業です。ビットコインの価格が過去24時間で6.3%下落し、87,929ドルとなった影響を受け、暗号資産関連株全体が売られました。このため、コインベース株は6.4%の下落となりました。

テスラ (TSLA)

株価変動: -8.39%
詳細: テスラは、電気自動車(EV)とエネルギー事業を展開する企業で、EV市場のリーダー的存在です。しかし、最近の販売不振が影響し、株価は8.4%下落しました。特に欧州での販売が不振で、1月の販売台数は前年同期比45%減(9,945台)と大きく落ち込みました。この結果、テスラの時価総額は1兆ドルを下回ることとなりました。

ズーム・コミュニケーションズ (ZM)

株価変動: -8.48%
詳細: ズーム・コミュニケーションズは、ビデオ会議ソフト「Zoom」を提供する企業で、リモートワークの普及に伴い急成長しました。しかし、第1四半期の売上高予想が11.6億〜11.7億ドルと市場予想の11.8億ドルを下回ったことで、株価が大きく下落しました。また、通期売上見通しも47.9億〜48.0億ドルと市場予想(48.1億ドル)を下回り、成長鈍化への懸念が広がっています。

スーパー・マイクロ・コンピュータ (SMCI)

株価変動: -11.76%
詳細: スーパー・マイクロ・コンピュータは、データセンター向けの高性能AIサーバーを製造する企業で、AI市場の成長とともに注目されています。しかし、2月25日までに昨年6月30日に終了した年度と9月30日に終了した第1四半期の決算を提出しなければ、ナスダックの上場廃止となる可能性が浮上し、投資家の不安が高まりました。この影響で株価は大幅下落となりました。
*関連記事「スーパーマイクロ、10-Kを提出し時間外取引で急騰

センプラ (SRE)

株価変動: -18.97%
詳細: センプラは、米国を拠点とするエネルギー・インフラ企業で、電力・ガス供給事業を手掛けています。しかし、2025年の利益予想を下方修正し、通期利益見通しを4.30~4.70ドルに引き下げたことで、投資家の売りが膨らみました。その結果、株価は19%の急落となりました。

ヒムズ&ハーズ・ヘルス (HIMS)

株価変動: -22.32%
詳細: ヒムズ&ハーズ・ヘルスは、遠隔健康相談プラットフォームを提供する企業で、特に減量薬やヘルスケア商品のオンライン販売で急成長しました。しかし、FDA(食品医薬品局)が人気の減量薬ウェゴビーとオゼンピックの供給不足が解消されたと判断したことで、GLP-1関連サービスの将来の需要が不透明となりました。その影響で株価は大幅下落となりました。
*関連記事「ヒムズ&ハーズの株価が急落|決算は市場予想を上回るも減量薬事業に不透明感


*過去記事 株価変動

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