パランティアに警告!バロンズが指摘する株価急落の真相とは?

2025年に入り、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)の株価は大きく上昇し、多くの投資家の注目を集めました。しかし、ここ数日で株価は急落しており、今後の動向についてさまざまな意見が飛び交っています。

米国の投資情報メディア「バロンズ(Barron’s)」は、この下落の背景や今後のリスクについて詳細な分析を行っています。本記事では、バロンズの記事「Palantir Stock Is Off the Charts. Why It’s Time to Sell.」を紹介しながら、パランティアの株価動向について解説します。

株価下落の主な要因

バロンズの記事によると、パランティアの株価が4日連続で下落した大きな理由は、アメリカ政府の国防予算削減計画です。政府は年間500億ドル(現在の総額の8%)の国防予算削減案を提示しており、パランティアの売上の半分以上が政府関連であるため、同社の業績に影響を与える可能性が指摘されています。

政府からの需要が減少すれば、パランティアの売上は低下し、それに伴い投資家の信頼も揺らぐことになります。このニュースを受け、多くの投資家が利益確定のために売却に動いたことが、株価急落の一因とされています。

これまでの株価推移と市場の反応

バロンズの記事によると、パランティアの株価は2022年末から2025年初めにかけて約19倍に上昇しました。特に、AI技術の収益化が進む中で、同社のソフトウェアが注目されていたことが要因の一つです。

2025年1月の最安値から株価はほぼ2倍の124ドルにまで上昇し、その主要な要因は第4四半期決算の好調さでした。同四半期の売上は36%増加し、利益率も市場予想を大きく上回りました。しかし、急激な株価上昇により、アナリストが予測する2025年の売上37億5000万ドルに対する評価額が75倍に達しており、割高感が強まっているとの指摘があります。

ハイテク株全体の動向とAIバブルの影響

バロンズは、パランティアだけでなく、テクノロジー株全体の動向にも注目しています。エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、テスラ、アマゾン・ドットコム、アルファベット、マイクロソフトなどの主要ハイテク株も、ここ数週間で最高値を更新していません。

特にエヌビディア(NVDA)は、2月の最安値時点で22%の下落を記録し、現在も回復途中にあると指摘されています。また、ナスダック上場企業全体の収益成長率は、2025年度の23%成長から、今後2年間で年率16%に鈍化すると予測されており、ハイテク株全体が調整局面に入る可能性を示唆しています。

パランティアのテクニカル分析

バロンズの記事では、パランティアのテクニカル分析についても詳しく解説されています。

2025年2月時点で、同社の株価は50日移動平均を45%上回る水準で推移しており、過去最高値に近い水準にあります。12月に記録した36%のプレミアムを大きく上回っており、過去のデータと比較すると、株価が短期間で過熱している可能性があると分析されています。

また、同社の時価総額は2800億ドルに達しており、iシェアーズ・エクスパンディッド・テクノロジー・ソフトウェア・セクターETFの株価収益率9.6倍と比較しても、非常に高い水準にあるとの指摘もあります。

事業の成長性と今後の課題

バロンズは、パランティアのAIを活用したソフトウェアが高い需要を誇っている点を評価しつつも、今後の成長性には懸念があると指摘しています。

政府は国家安全保障のためにパランティアのソフトウェアを利用し、企業も売上増加やコスト削減のために導入を進めています。市場全体を見ても、ビッグデータ分析市場は2025年末までに1兆ドルに迫ると予測されており、パランティアの売上も市場の成長スピードを上回るペースで拡大しています。

しかし、現在の評価額が正当化されるかどうかについては疑問が残ります。アナリストは今後3年間でフリーキャッシュフローが年率30%近く増加すると予測していますが、その成長率はすでに鈍化傾向にあると指摘されています。

アナリストの評価と目標株価

バロンズの記事では、ウォール街のアナリストの意見も紹介されています。

ドイツ銀行のアナリスト、ブラッド・ゼルニック氏は、パランティアを「売り」と評価し、目標株価を50ドルと設定しています。同氏は、売上高に対する株価倍率が約26倍であり、ソフトウェアグループの平均倍率(約3倍)を大幅に上回っている点を指摘しています。

また、米国みずほ証券のアナリスト、グレッグ・モスコウィッツ氏も、「パランティアの売上高利益率を正当化するのは極めて困難」とし、「アンダーパフォーム」と評価、目標株価を80ドルと設定しています。

さらに、ウォール街のアナリストが使用する割引率11.5%を適用すると、同社の時価総額は現在の2800億ドルではなく、1250億ドル程度に落ち着く可能性があるともバロンズは試算しています。

まとめ:パランティアは売り時なのか?

バロンズの記事では、現在の株価水準を考えると、利益確定のタイミングとして適切な時期かもしれないと示唆しています。短期的な値動きを考慮すると、売却を検討するのも合理的な判断と思われます。

ただし、長期的な視点で見ると、パランティアは依然として成長余地のある企業です。AI市場の拡大に伴い、同社のソフトウェアの需要が増加する可能性は高く、今後も成長を続ける可能性があります。

バロンズの記事を参考にしながら、慎重に投資判断をすることが重要です。

*過去記事はこちら パランティア PLTR

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