エヌビディアの決算はAIトレードの試金石か?今後の株価動向を分析

エヌビディア(NVDA)の決算発表が目前に迫っています。今年に入って株価が低迷する中、この決算はAIトレードにとって重要なテストとなる可能性があります。しかし、たとえ市場予想を上回る好決算だったとしても、株価が勢いを取り戻すとは限りません。
本記事では、エヌビディアの決算に影響を与える要因や、今後の株価の行方について詳しく解説します。

エヌビディアの株価が低迷する理由とは?

エヌビディアの株価は、ここ数ヶ月で勢いを失っています。2024年には株価が171%急騰し、S&P500の上昇率の大きな割合を占めていましたが、2025年に入ってからはわずか0.1%の上昇にとどまっています。
この株価低迷の背景には、以下のような要因があります。

  • 中国のAI新興企業「ディープシーク」をめぐる懸念
  • 成長の鈍化
  • 輸出規制の影響

これらの要因が投資家の不安を増幅させ、エヌビディアの株価上昇を抑える要因となっています。

オプション市場が予想するエヌビディア株の変動

オプション市場では、エヌビディアの決算発表後に株価が約7%変動すると予想されています。これは最近の四半期に比べると落ち着いた動きですが、それでも大きな金額の変動を意味します。
さらに、専門家の間では決算後のボラティリティが長引く可能性が指摘されています。ベイクレストの株式デリバティブ・マネージング・ディレクター、デービッド・ブール氏は、次のように述べています。

「ディープシークの影響で一部の投資家はすでにディップ(株価下落時の買い)を行ったものの、決算結果に満足しない投資家もいるため、株価は決算後1ヶ月間ジェットコースターのような動きをするかもしれない」

このように、エヌビディアの決算発表後は株価が大きく動く可能性が高く、短期的な売買には注意が必要です。

エヌビディアの成長鈍化は一時的か?

2月26日のマーケット終了後に発表される決算では、エヌビディアの売上は前年比73%増と予想されています。しかし、2023年の265%増と比較すると、大幅に鈍化しています。
バンク・オブ・アメリカのアナリスト、ビベック・アリヤ氏は、今後の成長を左右する要因として以下の点を挙げています。

  • 「ブラックウェル」アーキテクチャへの移行
  • 「ホッパー」アーキテクチャの需要減少
  • 中国の規制による逆風

短期的には成長鈍化が懸念されていますが、エヌビディアは次世代チップ「GB300」や「ルービン」などの新製品を投入予定であり、長期的には再び成長軌道に乗ると期待されています。

エヌビディアの決算後に注目すべき投資戦略

エヌビディアの決算はAIトレード全体に大きな影響を与える可能性があります。そのため、投資家はエヌビディアだけでなく、AI関連の他の銘柄にも注目する必要があります。
レイモンド・ジェームズのチーフ・マーケット・ストラテジスト、マット・オートン氏は、次のように述べています。

「エヌビディアのボラティリティを考慮しながら、他に資金を投入できる銘柄を見極めることが重要だ」

特に、次の分野に注目するとよいと同氏は述べています。

  • ソフトウェア関連銘柄(AIの次の成長フェーズを牽引)
  • サイバーセキュリティ銘柄(ハッキング増加により需要拡大)

エヌビディアの決算は市場に大きな影響を与えるものの、それだけに集中せず、周辺の投資機会を探ることも重要だと指摘しています。

まとめ

エヌビディアの決算は、AIトレードにおける試金石となる可能性が高いと予想されています。決算結果が市場予想を上回ったとしても、中国の規制や成長鈍化などの要因が株価上昇の重しとなるかもしれません。
しかし、エヌビディアは新製品の投入や、3月のGTCカンファレンスでの技術発表を控えており、長期的な成長の可能性は依然として高いと考えられます。

決算発表後のボラティリティをうまく活用し、AI関連の他の投資機会にも目を向けることで、より柔軟な投資戦略を立てることが可能となります。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

最新情報をチェックしよう!
>

幸せな生活作りのための米国株投資。
老後資産形成のための試行錯誤の日々を報告していきます。
皆様の参考になれば幸いです。

CTR IMG