ウォーレン・バフェット、後継者を正式指名!バークシャー・ハサウェイの未来は?

  • 2025年2月23日
  • 2025年2月23日
  • BS余話

ウォーレン・バフェット氏は、バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)のCEOとしての在任期間が限られていることを改めて示唆しました。2月22日に発表された2024年の株主宛年次書簡で、「94歳で、グレッグ・エイベルが私に代わってCEOに就任し、年次書簡を書く日もそう遠くはない」と述べ、後継者としてグレッグ・エイベル氏を明確に指名しました。

バフェット氏の後継者問題は長年にわたり投資家の関心を集めていましたが、今回の発言により、エイベル氏が正式な後継者であることが確定的となりました。エイベル氏は1962年6月1日生まれで62歳。現在、バークシャー・ハサウェイ・エナジーのCEOを務めるとともに、バークシャーの保険以外の事業を担当する副会長としても活動しています。

バークシャー・ハサウェイの2024年業績

2024年のバークシャー・ハサウェイの年次書簡は、例年よりも短く、投資や経済に関するコメントが少なめでした。しかし、同社の財務状況は好調であり、特に損害保険事業の成長が業績を押し上げました。

バフェット氏が重要視する年間営業利益は、2023年の374億ドルから2024年には474億ドルへと26.7%増加しました。この成長には、ガイコ(GEICO)の業績改善が大きく寄与しており、バフェット氏は同社のCEOでありバークシャーの投資マネージャーでもあるトッド・コムズ氏の手腕を高く評価しました。「ガイコは長い間、大改革を必要としていたが、トッドはその仕事を成し遂げた」と述べ、今後のさらなる改善にも期待を寄せています。

また、損害保険事業については、「対流性暴風雨による損害の大幅な増加を反映して」価格設定が改善されました。バフェット氏は、「気候変動の影響で、今後さらに大きな保険損害が発生する可能性がある」と指摘しています。

記録的な現金保有高と投資環境の課題

バークシャー・ハサウェイは2024年第4四半期決算で、約3340億ドルという過去最高の現金保有高を記録しました。しかし、バフェット氏にとってこの状況は好ましいものではなく、「バークシャーは、支配下であれ部分的な所有であれ、優良な事業の所有よりも現金を持つことを好まない」と述べています。

これは、現在の市場環境において、魅力的な投資先が少ないことが主な要因です。株価の高騰により、適正な価格での買収が難しくなっており、バークシャーは慎重な投資戦略を維持しています。その一環として、同社は2024年にアップル(AAPL)を中心に約1340億ドル分の株式を売却しました。

さらに、バークシャーは配当を支払わないため、手元資金が増加し続けており、その額はコカ・コーラ(KO)の時価総額を上回る規模にまで膨れ上がっています。

日本の総合商社への投資拡大

バフェット氏は、日本の総合商社5社への投資についても書簡の中で言及しました。バークシャーは2024年に伊藤忠商事、丸紅、三菱商事、三井物産、住友商事への投資を拡大しました。バフェット氏は、「これらの企業はバークシャーに似ており、膨大な事業の権益を所有している」と述べています。

バークシャーは2019年にこれらの企業への投資を開始し、当初の投資額は138億ドルでしたが、2024年時点でその価値は235億ドルに達しました。「時間の経過とともに、5社すべての所有比率をさらに増やす可能性がある」とバフェット氏は明言しています。

米国経済への貢献と税金

バフェット氏は、バークシャー・ハサウェイが2024年に米国財務省に納めた税金が268億ドルに達し、これは「米国政府がこれまでどの企業からも受け取った法人税の中で最も多い額」だと指摘しました。

また、過去60年間でバークシャーが納めた税金の総額は1010億ドルに上ると述べ、「アメリカと資本主義の恩恵に感謝している」と強調しました。さらに、「バークシャーの未来の世代が、2024年に私たちが支払った額よりもさらに多額の税金を納めることを願っている。税金は、人生で困難な状況にある人々を支援するために使われるべきだ」と述べ、社会貢献の重要性にも言及しました。

2025年の年次株主総会

バークシャー・ハサウェイの年次株主総会は、例年「資本家のウッドストック」と呼ばれる一大イベントですが、2025年の総会は「再設計された会合」となります。例年、総会の冒頭で上映されていた映画は今年は上映されず、また、これまで午後遅くまで続いていた会議は午後1時に終了する予定です。

この年次総会は、5月3日(土)にネブラスカ州オマハのCHIヘルスセンターで開催されます。バフェット氏の発言や、バークシャーの投資戦略に関心を持つ投資家にとって、引き続き重要なイベントとなることは間違いありません。

まとめ

バフェット氏は2024年の株主宛書簡の中で、自身の後継者としてグレッグ・エイベル氏を明確に指名し、経営の引継ぎが近いことを示唆しました。また、バークシャー・ハサウェイの業績は好調であり、特に損害保険事業が成長を牽引しました。しかし、適切な投資先の不足により、同社の現金保有高は過去最高水準に達しています。

日本の総合商社への投資も拡大しており、今後の成長が期待されます。さらに、バークシャーが米国政府に納めた税金は過去最高となり、同社が経済に与える影響の大きさを改めて示しました。

2025年の年次株主総会も注目されており、バフェット氏がどのような発言をするのか、多くの投資家が関心を寄せています。

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