バイキング・セラピューティクス(VKTX)の株価は2月21日の米国市場で7.71%上昇し、終値は34.07ドルとなりました。市場全体が大きく下げた中での逆行高で注目されています。この上昇の背景には、同社が買収対象となる可能性があるとの憶測が広がったことが影響しています。
報道によると、大手製薬会社のファイザー(PFE)がバイキング・セラピューティクスの買収を視野に入れているとのことです。また、モルガン・スタンレーがこの買収に関するアドバイザーとして選ばれたという情報もあります。こうした動きが投資家の期待感を高め、株価を押し上げる要因となりました。
第4四半期の業績発表後に浮上した買収の噂
バイキング・セラピューティクスは、2024年第4四半期の業績を発表した直後に買収の噂が出始めました。同社の純損失は前年同期の2,460万ドルから44%増加し、3,540万ドルとなりました。この損失の拡大は、研究開発費および一般管理費の増加によるものですが、受取利息の増加により一部が相殺されました。
また、2024年度通期の純損失も増加し、2023年度の8,589万5,000ドルから28%増の1億996万ドルとなりました。これは同社が新薬の研究開発を加速させていることが主な要因です。
目標株価の引き下げが相次ぐも「買い」評価を維持
バイキング・セラピューティクスに対して、一部の投資会社が目標株価を引き下げる動きを見せました。マキシムは、2024年第4四半期の1株当たり損失が予想を上回ったことを理由に、目標株価を120ドルから70ドルへと42%引き下げました。
一方で、B.ライリーは目標株価を109ドルから96ドルに引き下げましたが、「買い」の評価は維持しています。このように、短期的な業績悪化を受けて目標株価は下がったものの、長期的な成長性を評価する見方も依然として強いようです。
今後の展望
バイキング・セラピューティクスの株価は、買収の憶測や新薬開発の進展によって今後も大きく変動する可能性があります。特に、同社の研究開発が順調に進み、有望なパイプラインが市場で評価されれば、株価の上昇が期待されます。
また、ファイザーによる買収の可能性が現実のものとなれば、株価に大きな影響を与えそうです。今後の動向に注目が集まっています。