テスラ株が急落!リビアンの好決算とリコール問題が影響か?

電気自動車(EV)メーカーのテスラ(TSLA)の株価は、2月21日の米国市場で4.7%下落し、337.80ドルとなりました。S&P 500やダウ平均株価も1.7%下落しており、市場全体のリスク回避姿勢が強まっています。

テスラの下落には、EVメーカーリビアン・オートモーティブ(RIVN)が20日の夜に予想を上回る売上総利益を発表したことや、テスラが米国で一部車両のリコールを行ったことが影響しています。一方、リビアンの株価も4.7%下落し、12.97ドルで取引を終えました。

リビアンの売上総利益は予想を上回るも、ガイダンスは低調

リビアンは2024年第4四半期に約1億4000万ドルの売上総利益を計上しました。市場予想は6400万ドルだったため、実際の数字は予想の2倍以上でした。しかし、同社の2025年の販売見通しが市場予想を下回ったため、株価は下落しました。

リビアンは2025年に約48,500台の車を販売する見込みですが、ウォール街では55,000台に近い販売台数を予想していました。2024年の販売台数は約52,000台であり、販売ペースはやや減速する可能性があります。

それでも、今回、売上総利益が黒字化したことはリビアンにとって大きな成果です。1台あたりの四半期利益は約1万2000ドルとなり、前年同期の約4万3000ドルの損失から大きく改善しました。

この1万2000ドルという数字は、テスラの同時期の1台あたり利益を上回るものです。テスラの2024年第4四半期の1台あたりの売上総利益は約6600ドルであり、前年同期の8400ドルから減少しました。

テスラは販売台数で圧倒、だが利益率は低下

テスラは2024年第4四半期に約50万台の車を納車し、自動車部門の売上総利益は約33億ドルとなりました。これはリビアンの20倍以上の規模ですが、1台あたりの売上総利益が低下している点は懸念材料です。

リビアンは高級車市場にフォーカスしているため、1台あたりの利益が高い傾向があります。同社のピックアップトラック「R1T」の価格は約7万ドルからとなっており、大衆向けモデルを展開するテスラとは異なる戦略を採用しています。

テスラもかつては高級車路線をとっており、2017年に大衆向けモデル3を発売する前は、1台あたりの売上総利益が約2万5000ドルに達していました。当時の生産台数は四半期あたり約2万台であり、現在のリビアンと似た規模でした。

リビアンの今後の成長戦略とテスラの対抗策

リビアンは今後、生産台数を増やすことで収益性を改善する計画です。同社の新型EV「R2プラットフォーム」は2026年初頭に市場に投入される予定で、より低コストのモデル展開が期待されています。

一方、テスラも新型EVの開発を進めており、2025年の後半には3万ドル以下の新型モデルを投入すると見られています。ウェドブッシュ証券のアナリスト、ダン・アイブス氏は、この新型EVの発売が6月頃になる可能性が高いと分析しています。

テスラのリコール問題は限定的な影響

テスラは最近、パワーステアリングの問題を修正するために376,241台の車両をリコールしました。ただし、テスラのリコールの多くは無線によるソフトウェア更新で対応可能であり、今回のケースでも影響を受けるのはリコール対象車両の約1%に過ぎません。

自動車業界ではリコールは珍しいことではなく、毎年何百万台もの車がリコールされています。そのため、市場ではテスラのリコールが直接株価に大きく影響することは少ないと考えられています。

リビアンもヘッドライトの問題で17,260台のリコールを発表しましたが、こちらはディーラーでの修理が必要なため、テスラよりも影響が大きい可能性があります。リコール対象車両の約8%が実際に影響を受けると見られています。

まとめ

テスラの株価はリビアンの好決算とリコールの影響を受け、4.7%下落しました。一方、リビアンも2025年の販売見通しが市場予想を下回ったため、同じく4.7%の下落となりました。

リビアンの売上総利益の黒字化は大きな進展ですが、テスラと比較するとまだ規模は小さいものです。今後、リビアンは生産台数を増やして収益性を向上させる戦略を進める一方で、テスラも3万ドル以下の新型EVを投入することで競争力を強化する見込みです。

テスラのリコールはソフトウェア更新で対応可能なため、株価への影響は限定的と考えられます。ただし、リビアンのリコールはディーラーでの修理が必要なため、短期的には影響が出る可能性があります。

今後のEV市場では、生産規模の拡大とコスト削減が重要な要素となります。

*過去記事はこちら テスラ TSLA

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