バークシャー・ハサウェイの第4四半期業績:営業利益が過去最高を記録

  • 2025年2月23日
  • 2025年2月23日
  • BS余話

バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)の2024年第4四半期の営業利益は、大型保険事業の好調と投資利益の増加により、税引き後利益が前年同期比71%増の145億ドルとなりました。これは四半期ベースで過去最高の利益です。同社の現金および現金等価物も過去最高水準に達しており、財務の健全性が一層強固なものとなっています。

自社株買いを控えた理由と株価の堅調な推移

バークシャー・ハサウェイは、2024年において自社株買いをほとんど実施しませんでした。年間を通じた買戻し額はわずか29億ドルで、これは2018年以降で最も低い水準です。同社の自社株買いは、ウォーレン・バフェットCEOの裁量によって、株式が本質的価値に対して割安かどうかに基づいて決定されます。

2024年を通じてバークシャー・ハサウェイの株価は25%以上上昇し、S&P500指数を上回るパフォーマンスを記録しました。この株価の堅調さが、自社株買いを控える要因の一つとなったと考えられます。

現金残高の急増と投資戦略の変化

同社の現金および現金等価物の総額は、2024年9月30日時点の3,250億ドルから年末には3,340億ドルに増加しました。特に2024年には、アップル(AAPL)を中心に1,340億ドルの株式を売却し、現金比率を高めました。この売却によって、アップル株の保有量は3億株にまで減少し、売却額は1,000億ドルを超えたと見られます。

バークシャー・ハサウェイは、株式の売却益を財務省短期証券(米国債)へとシフトさせました。これは、短期証券の利回りが株式の配当利回りを上回る状況を反映した動きです。

営業利益は過去最高を更新

2024年の投資利益を除いた営業利益は474億ドルとなり、前年の374億ドルから約27%増加しました。この成長の主要因は、保険事業の力強い回復と投資収益の増加によるものです。

第4四半期の営業利益は、A種株1株当たり約10,083ドルとなり、前年同期比72%増加しました。これは市場予想(ファクトセット調べのアナリストのコンセンサス予想:1株当たり6,932ドル)を大幅に上回る結果でした。

保険事業の好調とガイコの大幅な収益増加

バークシャー・ハサウェイの保険事業は、2024年第4四半期において非常に好調でした。保険引受利益は前年同期の8億4,800万ドルから34億ドルに増加しました。特に、同社の自動車保険部門であるガイコ(GEICO)は、業績向上に大きく貢献しました。

ガイコの2024年の税引き前利益は78億ドルに達し、2023年の36億ドルから大幅に増加しました。利益率も19%に達しており、バフェット氏も株主への書簡で「目を見張る改善」と称賛しました。トッド・コムズCEOの指導のもと、ガイコは大きく変革を遂げたと評価されています。

鉄道・エネルギー・製造業の業績はまちまち

保険事業以外では、バークシャー・ハサウェイの業績は分野によって異なる結果となりました。

  • バーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道(BNSF)
    税引き後利益は前年同期比5%減の13億ドルとなりました。鉄道事業全体の年間税引き後利益は50億ドルで、前年から約1%減少しました。BNSFの主要ライバルであるユニオン・パシフィック(UNP)は、2024年の純利益が6%増の67億ドルとなり、収益性の面でBNSFを上回りました。
  • バークシャー・ハサウェイ・エナジー(BHE)
    2024年の税引き後利益は約65%増の37億ドルとなりました。BHEは風力発電の大規模な生産者であり、再生可能エネルギーに関する連邦税控除の恩恵を受けています。2023年と2024年にはそれぞれ約20億ドルの税額控除を受け、業績を押し上げる要因となりました。
  • 製造業を含む「その他管理事業」
    税引き後利益は33億ドルで、前年とほぼ同水準となりました。

投資家が注目すべきポイント

バークシャー・ハサウェイの業績の好調さは、保険事業と投資戦略の変化に支えられています。しかし、今後の課題として、保険事業の好調がどこまで続くかが注目されています。特に、ガイコの引受利益率の高さが維持されるかどうかが重要なポイントとなります。

また、バフェット氏は株主に対し、投資結果を含むGAAPベースの収益ではなく、投資損益を除いた営業利益に注目するよう促しています。2024年第4四半期のバークシャー・ハサウェイの総利益は197億ドルでしたが、前年同期の376億ドルからは減少しています。

まとめ

バークシャー・ハサウェイの2024年第4四半期は、過去最高の営業利益を記録し、保険事業の成長が顕著でした。一方で、鉄道事業や製造業は横ばい、または微減の結果となりました。同社の現金保有額は過去最高を記録し、今後の投資戦略が注目されます。2025年に向けて、バークシャー・ハサウェイの投資動向や事業成長の持続性が、株価の行方を左右することになりそうです。

最新情報をチェックしよう!
>

幸せな生活作りのための米国株投資。
老後資産形成のための試行錯誤の日々を報告していきます。
皆様の参考になれば幸いです。

CTR IMG