ヒムズ&ハーズ・ヘルス(HIMS)の株価が、2月21日の米国市場で22%以上急落しました。この下落は、米国食品医薬品局(FDA)が人気のある減量・糖尿病治療薬の供給不足が解消されたと発表したことを受けたものです。この発表により、ヒムズ&ハーズが販売している模倣品の需要が減少する可能性が懸念されています。
FDAの発表と市場への影響
FDAは、ノボ・ノルディスク(NVO)が販売するオゼンピックやウェゴビー、そしてこれらに含まれる有効成分であるセマグルチドの供給不足が解消されたと発表しました。また、イーライ・リリー(LLY)が販売する肥満治療薬ゼップバウンドについても、供給不足が解消されたとしています。この発表により、これらのFDA承認薬が市場で安定的に供給されることが明確になりました。
この動きにより、ヒムズ&ハーズが提供しているGLP-1注射薬の模倣品への需要が低下する懸念が広がっています。GLP-1薬は肥満治療や糖尿病管理に使用される薬剤であり、ヒムズ&ハーズはノボ・ノルディスクのウェゴビーを基にした配合版を販売しています。ただし、この配合版はFDAによる承認を受けていません。
ヒムズ&ハーズ株価の過去最大の下落幅
21日の株価下落率は、2024年11月14日以来最大となる24.46%減を記録しました。テレヘルス企業として成長を続けてきたヒムズ&ハーズですが、市場での競争激化やFDA承認薬の供給安定化による影響を受けています。
FDA未承認薬への規制当局の見解
FDAは以前、「患者の医療ニーズがFDA承認薬で満たされない場合や、市場に承認薬が存在しない場合には、未承認の配合薬も適切な選択肢となる可能性がある」と述べています。しかし、今回の供給不足解消により、その必要性も薄れる可能性があります。この点が投資家心理にも影響を与えたと考えられます。
今後の展望
今回の供給不足解消によって、ノボ・ノルディスクやイーライ・リリーといった大手製薬会社は安定的な売上増加が期待されています。一方で、ヒムズ&ハーズなど模倣品を提供している企業にとっては厳しい状況となりそうです。市場動向や規制当局の判断を注視しながら、新たな戦略を模索する必要があります。