マイクロソフトが量子コンピューターの未来を変える?「マジョラナ1チップ」の衝撃発表!

マイクロソフト(MSFT)は、量子コンピューティングの研究において重要なマイルストーンに達したと発表しました。この発表を受け、同社の株価は2月20日の米国市場で0.5%上昇しました。さらに、ディーウェーブ・クオンタム(QBTS)クォンタム・コンピューティング(QUBT)の株価がそれぞれ12.84%と1.63%上昇し、ゲッティ・コンピューティング(RGTI)の株価も3.99%上昇しました。一方で、イオンキュー (IONQ)は市場前取引では上昇したものの、その後1.2%下落しました。

この日、S&P 500は0.43%下落し、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も0.47%の下落となりました。しかし、量子コンピューティング関連株は逆行高となり、業界全体への信頼感が高まっていることがうかがえます。

マジョラナ1チップとは? マイクロソフトの最新技術の概要

今回の発表で注目されたのは、マイクロソフトが開発した「マジョラナ1チップ」です。これは、量子コンピューティングの中核となる量子プロセッシング・ユニット(QPU)であり、量子コンピューターの「頭脳」とも呼ばれます。QPUは、量子力学を活用して計算を行い、電子や光子などの粒子を利用して従来のコンピューターをはるかに超える計算能力を実現するものです。

マイクロソフトは、このQPUに「トポロジカル量子ビット」と呼ばれる新しいタイプの量子ビットを採用しました。これにより、量子ビットのエラー率を低減し、より安定した計算が可能になると考えられています。

100万量子ビット搭載のシングルチップを目指す

IBMは、2033年までに10万量子ビットを搭載した「量子中心スーパーコンピューター」の配備を目指していますが、マイクロソフトはさらにそれを超える可能性があります。同社によると、マジョラナ1チップのアーキテクチャは「手のひらサイズのシングルチップに100万量子ビットを搭載する道筋を示している」とのことです。

現在、このチップは市販されていませんが、マイクロソフトは最新の研究成果を科学誌『Nature』に発表しました。これは、同社が17年間にわたる研究を経て、「科学的探求から技術革新へ」と進化したことを示す重要な転換点となります。

量子コンピューティングの実用化はまだ先か?

量子コンピューティングは、医薬品開発、サイバーセキュリティ、サプライチェーン最適化、人工知能の強化など、多くの分野で革命をもたらす可能性があります。しかし、実用化にはまだ時間がかかるとする意見も少なくありません。

エヌビディア(NVDA)のジェンスン・フアンCEOは、量子コンピューティングへの期待が高まる一方で、「実用的な量子コンピューターが登場するには20年はかかる」とコメントしました。また、メタ・プラットフォームズ(META)のマーク・ザッカーバーグCEOも「真に実用的な技術として普及するのはかなり先になる」と述べています。

一方で、ディーウェーブ・クアンタムはこうした見方に異議を唱えています。同社のアラン・バラッツCEOは、ディーウェーブが2011年にロッキード・マーチンに最初の量子コンピューターを販売し、すでに商業的に展開されていることを強調しました。

量子コンピューター市場は今後どうなる?

2025年に入り、量子コンピューティング分野は引き続き注目を集めています。2月13日には、ディーウェーブがドイツの研究機関ユーリッヒ研究所との契約を締結し、D-Wave Advantage量子コンピューターを導入しました。これにより、同研究所は世界初の量子コンピューターを所有するハイパフォーマンス・コンピューティング・センターとなりました。

マイクロソフトは今回の発表で、「スケーラブルな量子コンピューターのプロトタイプを数十年ではなく数年以内に構築する予定」と述べており、開発が加速していることがうかがえます。

量子コンピューティング関連株は投資対象として魅力的か?

今回のマイクロソフトの発表を受け、中小の量子コンピューター企業の株価も上昇しました。これにより、投資家の間では量子コンピューティング分野への信頼感が高まっているようです。ただし、現時点で売上を安定的に生み出している企業はほとんどなく、投資には慎重な姿勢が求められます。

マホーニー・アセット・マネジメントのケン・マホーニーCEOは、「量子コンピューター市場は不安定で、新しい分野であるため、慎重に楽観的な姿勢でいることが重要」と述べています。ウォール街の投資家も、この分野でのリーダーが誰になるのかを見極めるため、今後の企業動向を注視する必要があります。

まとめ

マイクロソフトが発表した「マジョラナ1チップ」は、量子コンピューティング分野における大きな前進を示しています。特に、100万量子ビットを搭載したシングルチップの開発が視野に入っている点は、今後の技術進歩に期待を持たせるものです。

一方で、量子コンピューターの商業化にはまだ課題が多く、投資家は慎重な姿勢を保つことが求められます。短期的な価格変動に惑わされず、長期的な視点でこの分野の成長を見極めることが重要となります。

*過去記事「量子コンピューティング革命が始まる!マイクロソフトの発表が投資家に与える影響

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