エヌビディア(NVDA)の株価は、来週の決算発表を控え、投資家の様子見姿勢が続く中でじりじりと上昇しました。2月20日の米国市場の終値は0.63%高の140.11ドルとなっています。市場は引き続き、同社の業績に注目しており、特に人工知能(AI)関連の需要の高まりが今後の成長を支えるかどうかが焦点となっています。
第4四半期決算は来週発表予定
エヌビディアは、1月26日に終了した2025年度第4四半期の決算を、来週2月26日(水)に発表する予定です。投資家たちは、アマゾン・ドット・コム(AMZN)などの大手ハイテク企業の決算内容を参考にしながら、エヌビディアの業績が再び大きく伸びることを期待しています。
特に、アマゾン・ドット・コムやアルファベット(GOOGL)といった大手企業が、2025年の設備投資を増やす方針を示したことは、市場にとって重要なサインとなっています。これらの企業は、AIハードウェア分野への投資を加速させる意向を明らかにしており、エヌビディアの成長にも追い風となる可能性があります。
グーグル・クラウドがエヌビディアのGB200 NV液冷ラックを採用
グーグル・クラウドは20日、エヌビディアのGB200 NV液冷ラック・システムを採用し、クラウド・コンピューティング・サービスのプレビューを提供すると発表しました。このシステムは、72台のグラフィック・プロセッシング・ユニット(GPU)をネットワーク接続することで、高度なAI処理を可能にするものです。
この発表により、エヌビディアのデータセンター向けGPUの需要が引き続き高いことが改めて確認されました。AI関連の投資が拡大する中で、エヌビディアの技術力がさらに市場で評価される可能性があります。
キーバンクのアナリストが目標株価を190ドルに引き上げ
キーバンクのアナリストであるジョン・ヴィン氏は、エヌビディアのBlackwell B200チップの供給が予想よりも多いことを理由に、同社の目標株価を180ドルから190ドルに引き上げました。
この目標株価は、現在の水準から36%の上昇余地があることを示しています。ヴィン氏によると、この評価は、エヌビディアの2026年度の業績予想に基づいた株価収益倍率(PER)38倍を適用したものです。同氏は、「エヌビディアの第4四半期の業績は市場予想を上回り、第1四半期の業績ガイダンスも慎重な見方を維持しつつ、コンセンサス予想よりもやや高めの見通しを示すと考えている」と述べています。
エヌビディアの業績予想:売上は市場予想を上回る見込み
ヴィン氏は、エヌビディアの第4四半期の売上が382億ドル、1株当たり利益が85セントになると予想しており、市場コンセンサスの380億ドル、84セントをやや上回ると見ています。
また、第1四半期については、売上が430億ドル、1株当たり利益が94セントになると予想しています。この見通しは、AI需要の拡大と、大手ハイパースケール企業の設備投資の増加に支えられていると考えられます。
HSBCのアナリストもエヌビディアの成長に楽観的な見方
HSBCのアナリストであるフランク・リー氏も、エヌビディアの成長について楽観的な見解を示しています。同氏は、「ディープシークの低コスト・アプローチによる長期的な需要への影響に対する最近の懸念にもかかわらず、ほとんどのハイパースケーラーは2025年の設備投資を実際に上方修正した。これは、AI GPUの全体的な需要見通しが引き続き強いことを示している」と指摘しています。
まとめ
エヌビディアの株価は、来週の決算発表を控えながら堅調に推移しており、市場の期待も高まっています。AI市場の成長が続く中で、エヌビディアの業績は今後も拡大が見込まれています。特に、グーグル・クラウドなどの大手ハイテク企業がAI向けハードウェアへの投資を強化していることは、同社にとって大きな追い風です。今後の決算発表と、それに続く市場の反応に注目が集まります。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA