メタ・プラットフォームズ(META)の株価は、ここ最近の上昇トレンドが終わりを迎えた可能性があります。ソーシャルメディアの巨人である同社の株価は、2月19日の米国市場で1.76%下落し、703.77ドルとなりました。これは、前日18日に1月16日以来初めてマイナスで引けたことを受けた動きです。その際の下落率は2.8%で、終値は716.37ドルでした。
これにより、2015年9月の11日間の連続上昇という記録を塗り替え、20日間連続の上昇という歴史的な記録が幕を閉じました。メタの株価上昇は、バイデン政権末期に始まりましたが、今後はどのような展開となるのでしょうか。
メタの株価上昇を支えた要因
メタの株価は、主に以下の要因によって支えられてきました。
TikTok規制の動向
ドナルド・トランプ大統領がTikTokの米国での禁止を延期する大統領令を検討しているという報道を受け、メタの株価は1月中旬から上昇を始めました。これにより、メタの主要プラットフォームであるFacebookやInstagramが恩恵を受けるとの期待が高まりました。
AI市場における優位性
メタは、人工知能(AI)市場への積極的な投資を続けています。特に、2025年には600億ドル〜650億ドルの資本支出を行い、AIインフラの構築に注力する計画を発表しました。この発表は投資家の関心を引き、株価の押し上げ要因となりました。
史上最高値を更新
株価は2月16日に史上最高値の740.91ドルを記録し、終値も過去最高の736.67ドルとなりました。このような動きは、メタの成長期待が依然として高いことを示しています。
株価下落の背景
しかし、最近の下落にはいくつかの要因があります。
連勝の反動
20日間の連続上昇という異例の状況の反動で、一部の投資家が利益確定に動いた可能性があります。これは、テクニカルな要因として株価下落を引き起こしました。
米中関係の影響
メタは、チップ関税の影響や、中国の新興企業ディープシークが米国のハイテク企業のAI市場支配に対する脅威と見なされる中でも、上昇を続けました。しかし、今後の米中関係の変化によっては、ハイテク企業全体にリスクが広がる可能性があります。
割高なバリュエーション
メタの株価は、将来利益の27.35倍で取引されており、S&P500(SPX)の22.37倍と比較すると割高な水準です。これは、一部の投資家が新たな買いを控える要因となっているかもしれません。
今後の展望
メタが再び株価上昇を続けるためには、注目すべき新たな発表が必要になりそうです。
AI戦略の進展
マーク・ザッカーバーグCEOは、メタのAIチャットボットが2025年中に最も広く使われるバーチャル・アシスタントになるとの期待を示しています。また、同社は次世代の大規模言語モデル「Llama 4」のリリースを予定しており、この技術革新が市場にどのような影響を与えるかが注目されています。
新たな事業展開
メタがAIを活用したヒューマノイドロボットの開発を進めているとの噂があります。もしこれが正式に発表されれば、投資家の関心を再び引きつける可能性があります。
メタの株価は今後どうなるのか?
メタの株価が再び上昇するには、新たなカタリスト(上昇材料)が必要となります。現在のバリュエーションを考慮すると、一定の調整を経て、再び上昇トレンドに戻る可能性が考えられます。
ザッカーバーグCEOは、メタの未来に対して強気の見方を示しており、同社のAI戦略は依然として注目されています。しかし、今後の動向を見極めるためには、AI関連の発表や米中関係の変化、競合他社との競争環境などを慎重に観察する必要があります。
*過去記事 メタ・プラットフォームズ