スーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)の株価が2月18日の米国市場で急騰し、4日続伸しました。終値は16.47%高の55.8ドルでした。人工知能(AI)サーバーの高額取引が近い将来に成立するとの期待から、投資家の関心が高まっています。今年のS&P500指数で最も好調な銘柄となり、年初来の上昇率は83%に達しました。
AIサーバー市場の拡大とスーパーマイクロの躍進
アナリストたちは、ライバルのサーバーメーカーである デル・テクノロジーズ(DELL) や ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE) がAIサーバーの大型契約を獲得したことを受け、スーパーマイクロがこの市場での主要な受益者になると予想しています。
先週、ブルームバーグは デル・テクノロジーズ が イーロン・マスク氏のAI企業「xAI」 に対して 50億ドル規模のサーバー契約 を獲得したと報じました。また、ヒューレット・パッカード・エンタープライズも xAI向けの10億ドル規模のAIサーバー契約 を獲得したと伝えられています。この契約の入札には、スーパーマイクロも参加していたとされており、同社が次の大型契約の獲得に近づいているとの見方が強まっています。
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スーパーマイクロが次に狙うのは「Blackwellサーバー」
ウェドブッシュ証券のアナリスト、マシュー・ブライソン氏は、今後の大型契約はエヌビディア(NVDA)の 次世代AIチップ「Blackwell」 を搭載したサーバーの出荷を中心に進む可能性が高いと指摘しています。Blackwellは、高性能なグラフィック・プロセッサー(GPU)を活用したAIサーバー向けプラットフォームであり、多くのハイパースケール企業が導入を検討しています。
特に、急成長中のAIクラウドプロバイダー CoreWeave もAIサーバーの主要顧客になる可能性があります。デル・テクノロジーズはすでにCoreWeave向けのAIサーバー契約を獲得しており、スーパーマイクロも同様の契約を得るチャンスがあると考えられています。
投資家の関心が高まる中、財務報告の提出も重要なポイントに
スーパーマイクロの成長期待が高まる一方で、投資家は同社の 財務報告の遅延 についても注目しています。先週の決算説明会では、経営陣が 2月の提出期限を守る予定 であり、 年次報告書および2024年9月の四半期報告書 を提出する見込みであると述べました。この発表を受け、市場では楽観的な見方が強まりました。
空売りポジションの増加も注目すべきポイント
株価が急騰する中で、スーパーマイクロ株の空売りポジションも増加しています。ナスダックの報告によると、 1月31日時点で9,160万件の空売りポジション があり、 1月15日時点の7,710万件 から増加しました。これにより、株価の急激な変動が今後も続く可能性があります。
AIサーバー市場の拡大とスーパーマイクロの成長期待
エヌビディアのBlackwellプラットフォームを活用したAIサーバー市場の拡大により、スーパーマイクロは デル・テクノロジーズやヒューレット・パッカード・エンタープライズと並ぶ主要プレイヤー になる可能性が高まっています。投資家は、同社が今後獲得する新規契約や、AI市場の成長とともにどこまで売上を伸ばせるかに注目しています。
今後の展開として、AIサーバー市場での契約獲得状況、Blackwellサーバーの出荷、財務報告の提出 などが、スーパーマイクロの株価に大きな影響を与えると考えられます。今後の動向を見守ることで、さらなる投資の機会が見えてくるかもしれません。
*過去記事はこちら スーパー・マイクロ・コンピュータ SMCI