エヌビディア(NVDA)の株価は、ディープシーク・ショックの急落による損失をほぼ取り戻すまでに回復しています。2月18日の米国市場で株価は0.4%上昇し、終値は139.40ドルとなりました。株価は、先月の市場不安が発生する前の水準である142ドルに近づいています。18日の市場では朝方、142ドルを上回る場面もありました。
1月27日には、株価が17%下落し、同社の時価総額は約6,000億ドル減少しました。しかし、その後わずか3週間で株価は急回復し、AIチップ市場の堅調な需要が同社の成長を支えています。
AI需要の拡大がエヌビディアの成長を後押し
エヌビディアの回復を後押しする要因の一つとして、世界的なAI市場の拡大が挙げられます。韓国政府は、国立AIコンピューティングセンターの建設計画を発表し、そのために1万台のグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)を取得する予定です。この中にはエヌビディアのH100およびH200 GPUが含まれると、韓国の通信社である聯合ニュースが報じました。
さらに、米国では「スターゲート・プロジェクト」と呼ばれる大規模なAI関連プロジェクトが進行中であり、これがエヌビディアの事業に新たなスケーラブルな需要をもたらすと考えられています。テクノロジー関連の需要は、従来の米国の大手テクノロジー企業にとどまらず、世界中の企業に広がっています。
エヌビディアのチップ価格は安定、今後の市場動向にも注目
AI市場の拡大が続く中で、エヌビディアの既存チップのレンタル価格の動向にも注目が集まっています。特に、同社のHopper H100チップの価格が安定していることは、AIコンピューティングの需要が依然として高いことを示しています。
スイスの金融機関UBSがクラウドコンピューティング市場の最新データを分析したところ、クラウドGPUのレンタル価格は安定しており、供給が不足している状況が続いていることが分かりました。UBSのアナリストであるティモシー・アークリ氏は、エヌビディアの株式について「買い」の評価を維持し、目標株価を185ドルと設定しています。
来週の決算発表に向けて市場の期待が高まる
エヌビディアは来週26日、2025年1月期の決算発表を控えており、市場関係者の注目が集まっています。AI分野での成長が同社の売上にどのように反映されるかが焦点となります。特に、最新のBlackwellアーキテクチャのチップに対する企業や新興企業の需要がどの程度拡大するのかが、今後の業績を左右するポイントとなります。
AI技術の進化に伴い、エヌビディアの市場における存在感はさらに強まっています。同社のGPUは引き続き世界中で高い需要を誇り、テクノロジー市場の中心的な役割を果たしています。今後の決算内容次第では、さらなる株価上昇も期待されます。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA