今回は、米国株投資に役立つ情報を提供する「モトリーフール」に2月16日掲載された記事「Where Will Nvidia Stock Be in 10 Years?」を紹介します。この記事では、エヌビディア（NVDA）の現在の事業構造や、今後の成長戦略について詳しく分析されています。
エヌビディアは、AIブームの中心的な存在ですが、今後どのように事業を展開していくのでしょうか。また、自動運転やロボット工学といった新たな市場は、同社の成長にどのような影響を与えるのでしょうか。本記事では、モトリーフールの内容を参考にしながら、エヌビディアの今後の可能性について考えてみます。
長期投資とエヌビディアの成長性
モトリーフールの記事では、長期投資の観点からエヌビディアを分析しています。長期投資は、短期的な市場の変動を平準化し、企業の本質的な価値に注目することで、安定したリターンを得るための重要な手法です。
エヌビディアは、AI関連の技術革新により大きな成長を遂げていますが、現在のAIブームが沈静化した場合、どのように成長を維持するのかが注目されています。
エヌビディアの事業転換の歴史
エヌビディアは、データセンター事業が売上の約88％（308億ドル）を占める企業です。これは、同社が生成AI向けのハードウェア市場に大きく依存していることを意味します。しかし、モトリーフールの記事では、この依存度の高さがリスクとなる可能性があると指摘されています。
特に、中国企業のディープシークのような企業との低価格競争の激化や、オープンAIのような企業がカスタムチップの開発を進めることで、エヌビディアの市場シェアが脅かされる可能性があります。
とはいえ、エヌビディアは過去にも事業転換を成功させてきました。例えば、2022年度には、ビデオゲームと暗号資産マイニング向けのハードウェアが総売上（124億6,000万ドル）の約46％を占めていましたが、現在はわずか9.4％に縮小しています。このことから、エヌビディアは市場環境に柔軟に適応できる企業であることがわかります。
GPUの多用途性と今後の成長分野
エヌビディアの成長の鍵となるのは、グラフィック・プロセッシング・ユニット（GPU）の多用途性です。GPUは、並列処理を活用して大量のデータを同時に処理できるため、ゲームやAIだけでなく、ロボット工学や自動運転車の分野でも活用されています。
モトリーフールの記事では、今後10年間、エヌビディアのGPUが新たな用途を見つけ続ける可能性があると指摘しています。特に、自動運転技術やロボット工学が大きな成長分野として期待されています。
自動運転車とロボット工学の市場
マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査によると、自動運転技術は2035年までに3,000億ドルから4,000億ドルの売上を生み出す可能性があります。この市場は、AIと同様に膨大なデータ処理が必要であり、エヌビディアのGPU技術が重要な役割を果たすことになります。
特に、電気自動車メーカーのテスラ（TSLA）は、完全自動運転（FSD）プラットフォームの開発を進める中で、エヌビディアの主要顧客の一社となっています。テスラは、自社開発のスーパーコンピューター「Dojo」を構築するために、大量のGPUを活用しており、これはエヌビディアにとって大きなビジネスチャンスです。
さらに、エヌビディアは、ハードウェアだけでなくソフトウェアの分野でも自動車業界に貢献しています。同社の「Drive AGX」プラットフォームは、自動運転車の運転データを処理するために設計されており、今後の成長が期待されています。
エヌビディアの自動車・ロボット部門の成長
エヌビディアの自動車・ロボット部門の売上は、2024年度第3四半期の時点で4億4,900万ドルでした。これは総売上350億ドルと比較するとまだ小規模ですが、前年同期比で72％増加しており、急速に成長している分野であることがわかります。
モトリーフールの記事では、この成長が今後も加速する可能性があると分析されています。
エヌビディア株は今買いなのか？
エヌビディアのGPUは、現在の生成AIブームによって大きな需要を生んでいます。しかし、モトリーフールの記事では、企業がコスト削減のために代替手段を模索しているため、この需要が今後鈍化する可能性があると指摘されています。
一方で、自動運転車やロボット工学といった新たな市場の成長が、エヌビディアの売上を再び押し上げる可能性もあります。ただし、現在のエヌビディア株はAIブームの影響で非常に高い評価を受けており、投資を検討する際には慎重な判断が求められます。
まとめ
モトリーフールの記事をもとに、エヌビディアの今後の成長戦略について紹介しました。現在のAIブームの恩恵を受けつつも、同社は新たな市場への進出を進めており、自動運転技術やロボット工学が今後の成長の鍵となる可能性があります。
しかし、株価は既に高い評価を受けており、投資判断は慎重に行う必要があります。今後もエヌビディアの事業動向に注目しながら、長期的な視点で投資戦略を考えていくことが重要です。
＊過去記事はこちら エヌビディアNVDA