アップルがVision ProにAIを搭載!Apple Intelligenceの追加で市場に革命を起こすか?

アップル(AAPL)が、同社の複合現実(MR)ヘッドセット「Vision Pro」にApple Intelligenceを追加する計画を進めていることが、2月15日のブルームバーグの報道で明らかになりました。これに加え、ゲストユーザー向けの新モードや空間コンテンツアプリの導入も予定されており、Vision Proの機能が大幅に強化される見込みです。

visionOS 2.4のアップデートでAI機能を拡張

関係者の話によると、Apple Intelligenceの追加は、visionOS 2.4のソフトウェアアップデートの一環として、2025年4月にも提供される予定とのことです。また、開発者向けには、今週中にもベータ版が公開される可能性があると報じられています。

Apple Intelligenceとは、アップルがiPhone、iPad、Mac向けに展開しているAI技術で、今回がヘッドセットへの初の本格導入となります。Vision Proに追加される具体的な機能は以下のとおりです。

  • Writing Toolsインターフェース(文章生成支援)
  • Genmojis(AI生成のカスタム絵文字)
  • Image Playgroundアプリ(画像の生成・編集ツール)

Vision ProにはMac M2チップと16GBのメモリが搭載されており、AI機能をデバイス上で直接処理できる性能を備えています。これにより、プライバシーを保護しながら、スムーズなAI体験が可能になります。

グーグルとの競争激化—Apple Intelligenceは対抗策か

ブルームバーグの報道によると、Vision ProへのAI機能の追加は、競争が激化する複合現実市場におけるアップルの対策の一環とみられています。

最近、米国のアルファベット(GOOGL)傘下のグーグルは、新たな複合現実(XR)OS「アンドロイドXR」を発表しました。このOSには、同社のAI技術「Gemini AI」が統合されており、最初の対応デバイスとして韓国のサムスン電子のヘッドセットが2025年後半に発売される予定です。

アップルがVision ProにAI機能を追加するのは、こうしたライバル企業の動きに対応し、MR市場での競争力を維持する狙いがあると考えられます。

Vision Pro向けの新しい空間コンテンツアプリも追加へ

アップルは、Vision Pro専用の空間コンテンツアプリの開発も進めており、3D画像やパノラマ画像などを活用した新しい視覚体験を提供する予定です。これまで、アップルはヘッドセット向けのメディアコンテンツのリリースが遅れていると指摘されていましたが、今回のアップデートによって、空間メディアの分野での存在感を高める狙いがあります。

また、アップルは2月21日に、Vision ProのTVアプリで「北極圏でのサーフィン」をテーマにした没入型ビデオを公開する予定で、これが空間コンテンツの新たな展開の一例となりそうです。

SiriのAI強化は見送り—代わりにChatGPTを統合へ

ブルームバーグによると、今回のアップデートではSiriの大幅な改良は行われないものの、OpenAIのChatGPTがWriting Tools機能に統合される予定です。これにより、より高度な文章生成や編集が可能になるとみられます。

なお、アップルはもともとSiriのAI機能を大幅に強化する計画を立てていましたが、エンジニアリング上の課題に直面し、計画が延期されたとのことです。

ゲストユーザー向けの新モードが追加され、家族や友人との共有が容易に

visionOS 2.4には、ゲストユーザー向けの新しいモードも搭載される予定です。この新機能により、Vision Proを友人や家族とより簡単に共有できるようになります。

  • iPhoneを使ったセットアップが可能に
    これまではVision Pro本体でのみゲスト設定を行う必要がありましたが、今後はiPhoneを使ってゲストの設定ができるようになります。
  • アクセス制限の設定が容易に
    Vision Proのオーナーが、ゲストユーザーにアクセスを許可するアプリをiPhone上で簡単に管理できるようになります。

アップルは、この新モードを通じて、Vision Proを体験したゲストが最終的に購入を検討する可能性が高まることを期待していると報じられています。

Vision Proの未来—新たな戦略を模索中か

Vision Proの販売は3500ドルという高額な価格設定のため、限定的なものとなっています。しかし、ブルームバーグは、今回のアップデートによりユーザーの関心を再び引きつける可能性があると指摘しています。

また、同社はVision Proの今後の方向性を見直しており、ブルームバーグの報道によると、Macに接続する拡張現実(AR)メガネの開発計画をキャンセルしたとも伝えられています。アップルは今後、Vision Proを中心とした複合現実(MR)分野の戦略を強化していくと考えられます。

まとめ:Apple Intelligenceの導入でVision Proの競争力が強化されるか

ブルームバーグの報道によると、アップルはVision ProにApple Intelligenceを導入し、AI機能を強化することで、競争が激化するMR市場での地位を確立しようとしているとみられます。また、新しい空間コンテンツアプリの追加やゲストモードの強化など、ユーザー体験を向上させるための施策も進められています。

2025年4月に予定されているvisionOS 2.4のアップデートによって、Vision Proの市場評価がどのように変化するのか、今後の動向が注目されます。

*過去記事はこちら アップル AAPL

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