エヌビディア(NVDA)は、アーム・ホールディングス(ARM)の株式保有量を44%引き下げたことが、米国証券取引委員会(SEC)に提出された書類で明らかになりました。また、サウンドハウンドAI(SOUN)の株式を全量売却したことも報告されています。
エヌビディアは2024年9月末の時点ではアームを196万株を保有していましたが、12月末時点で110万株まで減らしました。この売却を受けて、アームの株価は2月14日の米国市場の午前11時過ぎ現在、4.5%安の157.42ドルで取引されています。
13Fフォームの提出で明らかになったエヌビディアの動向
米国の大口資金運用者は、四半期末から約45日後にSECへ13Fフォームを提出し、保有株式を報告する義務があります。
アームは、半導体企業やスマートフォンメーカーにチップ設計のライセンスを供与することで売上を上げています。エヌビディアもクラウドデータセンターのAIシステムにおいて、アームの技術を利用したサーバー向けCPUを開発しています。
エヌビディアはかつてアームの買収を試みましたが、「規制上の課題」により2022年に買収計画を断念しました。今回の出資比率の引き下げは、その後の戦略的なポートフォリオの見直しの一環とみられます。
サウンドハウンドAIを売却し、中国の自動運転企業WeRideに投資
エヌビディアの13F報告書によると、同社はサウンドハウンドAIの全株式を売却しました。また、新たに中国の自動運転スタートアップ企業WeRide(WRD)の170万株を購入したことも明らかになりました。この報告を受け、サウンドハウンドAIの株価は27%下落し、WeRideの株価は84%急騰しました。
エヌビディアはAI分野での影響力をさらに強めており、特に自動運転技術やデータセンター向けチップの開発に注力しています。WeRideへの投資は、今後の自動運転市場の成長を見据えた動きと考えられます。
エヌビディアの今後の展望
エヌビディアは、データセンター向けのAIチップやGPU市場において圧倒的な競争力を維持しています。今回のアーム株の売却やWeRideへの投資は、AI分野での戦略的な資本配分を示す動きです。
AI関連市場は引き続き成長が期待されており、エヌビディアはその中心的なプレイヤーの一社となっています。今後も市場の変化に応じた同社の投資判断が注目されます。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA