モバイル広告テクノロジー企業のアプラビン(APP)は、2月12日の米国市場終了後に発表した決算で、予想を上回る売上と利益を記録しました。この発表を受け、同社の株価は時間外取引で急騰しました。
第4四半期の業績
アプラビンの2024年第4四半期の業績は、市場予想を大幅に上回りました。
1株当たり利益(EPS)は1.73ドルで、ウォール街の予想である1.25ドルを上回りました。前年同期のEPSが0.49ドルだったことを考えると、大幅な成長を遂げています。
売上も前年同期の9億5,300万ドルから13億7,000万ドルへと増加し、市場予想の12億6,000万ドルを超えました。
2025年第1四半期の売上見通し
アプラビンは、2025年第1四半期の売上について13億6,000万ドル~13億9,000万ドルになるとの見通しを示しました。これに対し、ファクトセットが調査したアナリストのコンセンサス予想は13億2,000万ドルでした。
株価の動きと市場の反応
この決算発表を受け、アプラビンの株価は12日の時間外取引で27%上昇し、483.89ドルとなりました。
同社の成長について、ウェドブッシュのアナリストであるマイケル・パクター氏は、決算発表前のレポートで「アプラビンは、150億ドル規模のモバイルゲーム内広告市場で徐々に大きなシェアを獲得しており、最近の業績を押し上げている」と指摘しました。
この成長を受け、パクター氏はアプラビンの目標株価を270ドルから545ドルへと大幅に引き上げ、アウトパフォーム(市場平均を上回る)の格付けを維持しました。
株価の推移とAI戦略
アプラビンは2021年にIPOを実施し、80ドルで上場しました。それ以来、株価は大きく上昇しており、過去1年で711%の上昇を記録しています。
投資家は同社のAI戦略、特にアクソン(Axon)との関連について関心を寄せています。アクソンはアプラビンのAIを活用した広告技術ソフトウェアであり、同社の成長を支える重要な要素の一つです。
アプラビンのアダム・フォロギ最高経営責任者(CEO)は株主向けの書簡の中で、同社の広告AIモデルはまだ改善の初期段階にあると述べました。
「今後のロードマップには多くの改善の機会があり、これを実行することで株主価値の向上を続けることができると考えています」とフォロギCEOは語っています。
今後の見通し
アプラビンは、AIを活用した広告技術によってモバイル広告市場でのシェア拡大を進めています。今回の決算発表と株価の急騰により、市場からの期待が一層高まっています。今後も広告AIの進化と、それが業績にどのような影響を与えるのかに注目が集まります。
*過去記事はこちら アプラビン(APP)