米国の人工知能(AI)を活用した融資プラットフォームを提供するアップスタート・ホールディングス(UPST)の株価が2月12日のプレマーケットで大幅に上昇しています。同社は2024年第4四半期の決算で市場予想を大きく上回る業績を報告し、さらに力強いガイダンスを発表したことが好感されています。
四半期業績が市場予想を大幅に上回る
アップスタートは、AIを活用して借り手の信用力を評価し、銀行や金融機関と連携する融資マーケットプレイスを運営しています。11日に行われた2024年第4四半期の決算発表によると、1株当たり3セントの損失を計上しましたが、調整後利益は26セントとなり、ウォール街の予想である4セントの損失を大きく上回りました。
また、売上は2億1900万ドルに達し、アナリストのコンセンサス予想(1億8190万ドル)を大幅に超えました。これにより、投資家の信頼が高まり、12日のプレマーケットでは株価が27%上昇し、85.55ドルに達しました。過去1年では、株価が155%上昇しており、同社の成長力が改めて示されています。
2025年のガイダンスもポジティブ
アップスタートの今後の見通しも力強いものとなっています。2025年第1四半期について、アナリストは売上を1億8460万ドルと予想していましたが、同社は約2億ドルの売上を見込んでいます。
さらに、2025年通年の売上については約10億ドルと見積もられており、アナリストの予想(8億2160万ドル)を大幅に上回る水準です。経営陣は、GAAP(一般に公正妥当と認められた会計原則)ベースの純利益について「少なくとも損益分岐点に達する」との見通しを示しました。これは、同社が持続的な成長を遂げる準備が整っていることを示唆しています。
大手証券会社が目標株価を引き上げ
今回の好調な決算を受け、J.P.モルガンのアナリストであるレジナルド・スミス氏とチャールズ・ピアース氏は、アップスタートの格付けを「アンダーウェイト」から「ニュートラル」に引き上げました。また、目標株価も57ドルから79ドルに引き上げています。
アナリストは、「マクロ経済の安定化を背景に、アップスタートの基本的なビジネストレンドに対する信頼が高まっている」と指摘しています。また、「リスクモデルの改善により、さらなる営業レバレッジの余地があり、これは持続可能な成長につながる」との見解を示しています。
アップスタートの今後の展望
アップスタートは、AIを活用した融資マーケットプレイスの拡大を進めており、事業の成長が加速しています。2025年に向けて、業績の改善とともに、さらなる株価上昇の可能性も高まっています。
特に、同社のAI技術が従来の信用スコアモデルに代わる新たな基準として確立されることで、金融業界全体に変革をもたらす可能性があります。引き続き、同社の業績動向や市場の反応に注目が集まりそうです。
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