人工知能(AI)を活用した融資審査を手掛けるアップスタート・ホールディングス(UPST)は2月11日のマーケット終了後に四半期決算を発表しましたが、発表後に株価が再び大きく変動する可能性があります。決算発表後の時間外取引では21%の急騰を記録し、市場の注目を集めています。
予想を上回る売上と利益見通し
アップスタート・ホールディングスは、2025年第1四半期の売上を約2億ドルと予想しており、これはアナリスト予想の1億8,460万ドルを上回る水準となっています。また、調整後の利払い・税引き・減価償却前利益(EBITDA)は2,700万ドルとなる見通しで、アナリスト予想の900万ドルを大幅に上回っています。
直近四半期の業績と成長
同社の第4四半期の売上は2億1,900万ドルとなり、前年同期比で56%の増加を記録しました。ファクトセットのコンセンサス予想である1億8,190万ドルを大きく上回る結果となっています。この四半期では、24万5,000件以上の融資を実行し、前年同期と比較して依頼の転換率が向上しました。
デイブ・ジルアード最高経営責任者(CEO)は、同社が「すべての商品カテゴリーで劇的な成長を遂げている」と述べ、GAAPベースでの黒字化が目前であることを強調しました。
直近の株価動向と市場の評価
第4四半期の損失は280万ドル(1株当たり3セント)でしたが、調整後のEBITDAは3,880万ドルとなり、アナリスト予想の580万ドルを大幅に上回りました。
この6カ月間で同社の株価はほぼ2倍に上昇し、力強い回復を見せています。しかし、2021年10月に記録した終値の史上最高値390ドルと比較すると、依然として83%低い水準にあります。
今後の見通しとリスク
アップスタートはかつて市場の注目を集めた企業の一つですが、売上はピーク時から大きく落ち込んでいます。2024年以降、成長を取り戻すと予測されており、今後数年間はさらなる勢いが期待されています。しかし、数年前と比較すると金利の上昇により、同社のローン需要は減少傾向にあります。
同社の株価は決算前後に大きく変動する傾向があり、過去2回の決算発表後にはそれぞれ約40%上昇しました。一方で、決算後に株価が大きく下落したこともあるため、投資家は注意が必要です。
まとめ
アップスタート・ホールディングスの最新決算は、市場予想を大きく上回る結果となりました。同社は黒字化に向けて順調に進んでおり、株価の上昇要因となる可能性があります。しかし、過去の株価変動を見ると、決算発表後に乱高下するリスクも伴うため、慎重な投資判断が求められます。
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