スーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)は2月11日、2025年度の売上予想を引き下げました。しかし、2026年度に向けた強気な見通しを示し、投資家にとってはポジティブな材料も見られます。
2025年度の売上予想を引き下げ
同社は2025年度の売上予想を、従来の260億ドル〜300億ドルの範囲から、235億ドル〜250億ドルへと引き下げました。この修正を受けて、一時的に市場の不安が広がりました。
しかし、チャールズ・リャン最高経営責任者(CEO)は、2026年度の売上目標として400億ドルを掲げており、これはアナリストの予想である290億ドルを大きく上回るものとなっています。
2026年度の売上400億ドルへの道
決算説明会では、リャン氏が400億ドルという目標について「非常に保守的な数字である可能性がある」と発言しました。さらに、エヌビディア(NVDA)の新製品の割り当てが改善されれば、より多くのサーバーを出荷できるとも述べています。
同社は、エヌビディアの「Blackwell」アーキテクチャを活用したAIインフラ設計において強い競争力を持っており、「データセンター・ビルディング・ブロック」による高品質な製品、優れたサービス、ネットワーキング技術、セキュリティ面での優位性を強調しました。
株価の動向と市場の評価
スーパーマイクロの株価は、11日の時間外取引で一時8.4%上昇しました。直近3か月間で66%上昇しており、市場の期待は依然として高い状態です。しかし、過去1年間で見ると株価は約半分になっています。
決算報告と会計提出の遅れ
同社は、2024年9月期の四半期報告書を含め、年次報告書の提出が遅れており、その期限が2月25日に迫っています。スーパーマイクロは、この提出に向けて「真摯に取り組み続けている」とし、期限までに提出できる見込みであると説明しました。
2024年12月期の暫定決算では、売上を56億ドル〜57億ドルと見込んでいます。これは市場のコンセンサス予想である58億ドルを若干下回る結果となりました。また、調整後売上総利益率は11.9%となる見通しで、9月期の13.3%から低下しています。
米司法省および証券取引委員会の調査
2024年後半に、スーパーマイクロは米司法省および証券取引委員会(SEC)から召喚状を受け取ったことを明らかにしました。同社は、これらの調査に全面的に協力していると述べています。
今後の見通し
短期的には、売上予想の下方修正や会計報告の遅れが懸念されるものの、2026年度に向けた成長戦略が注目されています。特に、エヌビディアの次世代AIチップとの連携によるサーバー市場での成長が期待されており、今後の業績動向が市場の焦点となっています。
*過去記事はこちら スーパー・マイクロ・コンピュータ SMCI