イーライ・リリー(LLY)は2月6日の米国市場の開始前に2024年第4四半期決算を発表、ウォール街の予想を上回る結果を示しました。調整後の1株当たり利益(EPS)は5.32ドルで、アナリスト予想の5.01ドルを上回りました。さらに、2025年のガイダンスも上方修正され、市場の期待を上回る内容となりました。
第4四半期の業績:売上は135億ドル、主要製品の売上も好調
第4四半期の売上は135億ドルとなり、1月中旬に発表された速報値を上回りました。特に、糖尿病治療薬および体重減少治療薬の売上が注目されました。
- モンジャロ(Mounjaro)の売上:35億ドル
- ゼップバウンド(Zepbound)の売上:19億ドル
これらの治療薬は市場で高い需要があり、イーライ・リリーの成長を牽引する重要な要素となっています。
株価の動向:市場前取引で上昇、過去1年間で14%の上昇
イーライ・リリーの株価は、第4四半期決算の発表を受けて2月6日の米国市場の開始直後2.5%上昇し、863ドルを記録しました。過去1年間で14%の株価上昇を達成し、市場全体を上回る成長を示しています。
しかし、1月中旬には売上の速報値が市場の期待を下回ったことで株価が6.6%下落し、2021年以来の最悪の取引日となりました。その後、ゼップバウンドとモンジャロの売上が明らかになり、投資家の不安が和らいだことで株価は回復傾向にあります。
2025年のガイダンス:売上高は580億~610億ドルの見通し
イーライ・リリーは、2025年の売上を580億ドル〜610億ドルの範囲と見込んでおり、アナリストの予想(584億ドル)を上回る見通しを示しました。これは、糖尿病治療薬および体重減少薬市場における同社の強みを反映しています。
一方で、一部の投資家の間では、「体重減少薬の需要が過大評価されているのではないか」という懸念もあり、株価の動きに影響を与えています。しかし、同社のデービッド・リックス最高経営責任者(CEO)は、「市場の成長余地は大きく、今後10年間は成長が続く」との見解を示し、長期的な成長に自信を見せました。
今後の展望:成長余地はまだ大きい
イーライ・リリーは、ゼップバウンドとモンジャロを中心に、糖尿病および体重減少治療の分野で強力なポジションを築いています。リックスCEOは、「治療の対象となるカテゴリーは今後も増え続ける」と述べており、新たな適応症の開発にも注力する方針を示しました。
1月中旬の一時的な株価下落にもかかわらず、同社の長期的な成長戦略は明確であり、市場の期待を集め続けています。投資家にとっては、今後の決算発表や新たな治療薬の開発動向に注目することが重要です。
イーライ・リリーは、今後も市場の需要に応じた製品開発を進め、持続的な成長を目指していくとみられます。