アームの決算は市場予想を上回るも株価下落、その背景とは?

  • 2025年2月6日
  • 2025年2月6日
  • BS余話

アーム・ホールディングス(ARM)の株価が、2月5日の2024年12月期の決算発表を受けて下落しました。これは、同社の業績が市場予想を上回ったにもかかわらず、過去1年間で大幅に上昇していたため、投資家が利益確定に動いたことが要因と考えられます。

第3四半期の業績、ウォール街の予想を上回る

調査会社ファクトセットによると、アームの2024年10月〜12月期の調整後1株当たり利益は39セントとなり、ウォール街のコンセンサス予想である34セントを上回りました。また、売上は9億8,300万ドルとなり、アナリストの予想である9億4,900万ドルを超えました。

さらに、同社は2025年1月〜3月期の売上予想について、11億7,500万ドル〜12億7,500万ドルの範囲と発表しました。この数値は、アナリスト予想の12億2,000万ドルと比較すると若干幅がありますが、市場の期待に沿った見通しといえます。

CEOのコメントとアームの技術革新

アームの最高経営責任者(CEO)であるレネ・ハース氏は、投資家向けの書簡の中で次のように述べています。

「アームは、高性能かつエネルギー効率に優れ、柔軟性の高い技術を持っています。AIの革新を推進し、エッジからクラウドまでのユーザー体験を変革する重要な役割を担っています。」

この発言からも分かるように、アームの技術はAI時代において重要な役割を果たしており、今後もその影響力が増していくと考えられます。

株価は決算発表後に下落

決算発表を受けて、アームの株価は市場で注目されました。5日の通常取引では6.8%の上昇を記録しましたが、発表後の時間外取引では6.6%安で取引されています。この株価の動きは、決算内容が良好だったにもかかわらず、投資家が利益確定を進めたことを示しています。

アームのビジネスモデルと成長の背景

アームは、半導体企業やスマートフォンメーカーに対し、チップ設計のライセンスを供与することで売上を上げています。同社の最新の先端チップ技術「Armv9」は、従来の「Armv8」と比較して大幅に高いロイヤリティを生み出しており、収益の拡大に寄与しています。

また、同社はクラウド・サーバー向けの高性能プロセッサー市場にも進出し、成果を上げています。マイクロソフト(MSFT)やエヌビディア(NVDA)などの顧客は、アームの設計を活用し、100以上の「コア」を持つチップを製造しています。

アーム株のパフォーマンスと今後の見通し

アームの株価は過去1年で125%上昇しており、これはiシェアーズ・セミコンダクターETF(SOXX)の上昇率10%を大きく上回っています。2025年に入っても、AI技術の発展やデータセンター市場の拡大により、アームの技術は引き続き重要視されると考えられます。

投資家は、決算後の短期的な株価変動だけでなく、アームの長期的な成長ポテンシャルにも注目する必要があります。AIやクラウドコンピューティングの需要が拡大する中、アームの技術がどのように市場に影響を与えるか、要注目です。

*過去記事「エヌビディア、TSMC、アームが急騰!AI革命がもたらす次の投資チャンスとは?

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